第4期生 サリンの活動報告
代表メッセージ
代表としての役目だけではなく、コミュニティで暮らす障害のある子どもたちの声にも耳を傾けてきました。2012年のことですが、知的障害児の泣く声を聞き、彼らのニーズを痛感しました。将来の見通しは全くありませんでしたが、私の心は動き始めました。そして、‘Hands of Hope Community’(以下HHC)に私自身を捧げることになりました。
設立以来、HHCは成長を続け、特に、カンボジアの弱い立場にある知的障害児に対して、コミュニティやその家族をエンパワーすることや、政府の応答がより良くなるように働きかけるなどして、何百人もの人生にインパクトを与えてきました。私たちは持続可能な変換のために、全体論的なアプローチが必要なことに気がつきました。2015年には、カンダル州において50人を超える障害児お呼びその家族と一緒に活動をしました。
最後に、私を支持してくださり、そして私たちの活動に信頼を寄せて下さり、感謝いたします。そして私たちへの皆様の祈りと友情とパートナーシップにも、感謝申し上げます。2016年は活動への大きな希望を持って迎えることができます。
この偉大なミッションを遂行するための旅に、引き続きご参加下さい。
感謝を込めて
チャン・サリン 設立者/代表
設立背景
HHCは、タクマオ町の準都市地区において、既存のコミュニティーベースプログラムの拡大を目指した小規模の調査をするという、簡単な活動から始まりました。それにより分かったことは、3歳から25歳までの様々な障害のある子ども及び若者について、15名(33%) が何らかの制限つきのサービスしか受けておらず、大多数の30名 (66%)は全く支援を受けていないということでした。更なる調査によって、彼らの家族はデイケアサービスを熱望していることが明確に示されました。それは第一に他の人たちと一緒にいるということで子どもの成長の助けとなり、更に子どもは安全に世話をされているという認識のもと、家族自身も仕事にいくために自由を得る、ということにもなります。
2012年12月、創設者であり代表でもあるチャン・サリン氏の尽力によって、HHCは内務省に登録されました。HHCはデイケア施設・在宅ケア・障害の啓蒙・親の支援グループなどの提供をする任務を与えられています。おもちゃ図書館やインクルーシブ教育、そして中・重度知的障害のある子どもと若者の、ニーズ及び権利を推進します。それらのプロジェクトの効果的かつ持続可能な成果を出す鍵は、最も弱い立場にある子どものために、障害分野の他の団体とパートナーシップです。また、個人、家族、そしてコミュニティもプログラムの全ての段階における意思決定に含まれなければなりません。
HHCは、子どもたちに対して、彼らが必要とする感情的・身体的・社会的なサポート及び社会参加の機会を得られるような、専門的環境及び慈悲の心を提供します。HHCのメソッドは、自立生活の最大化とコミュニティでの暮らしを目指し、障害児に対して質の高い個別ケアの提供をすることです。
1. デイケアプログラムにおける特別教育
特別教育プログラムは中・重度障害のある子ども及び若者のニーズに対応しています。現在50人の子どもがプログラムの対象になっています。
- 27名の子どもが毎日デイケアプログラムに参加しています。ライフスキル、絵画、レクリエーション活動、スポーツなど、全ての活動が幸せと喜びを与えています。多くの子どもに成長を見ることができます。例えば家事をして家族を手伝いたいという意識が生まれたこと、教材準備の手伝い、職員やボランティアと一緒にセンターやキッチンを掃除する手伝いをしたりなどです。その他にも、親からの協力の増加、子どもたちが安全な場所で育てられるようになったこと、日常生活動作の活動への理解の増加、社会的コミュニケーションの改善、衛生と健康の改善、数名の子どもの体重の増加より、身体的健康の改善が見受けられることなどがあります。数名の年長の子どもたちにはタイムマネジメントに対する意識の向上、収入創出に対する創造的なアイデア、障害問題についての権利擁護及び啓蒙活動に参加することへの自信を深めた様子が見受けられます。
- 加えて、23名の子どもたちが在宅ケアプログラムに参加しています。そして、ほとんどの子どもが月に1、2度デイケアサービスを利用しています。センターから遠く、交通費がかかることが理由です。特に改善が顕著に見られたのは、親と隣人の双方のコミュニケーション、子どもたちがコミュニティのイベントにより自信を持って参加できるようになったこと、身体的精神的両方の能力が向上したこと、通学している生徒は予定通り学年が進級できたこと、社会的コミュニケーションについての理解がより明確になったこと、自分自身の安全を守ることなどです。子どもたちは社会参加の権利について気づきを深め、地域の学校で多くの友達を作ることができ、以前より差別が解消されたと言えるでしょう。
- 50名の子どもたちは毎週食事(豆乳)の配給を受けています。加えてデイケアの27名の子どもは朝食と昼食の配給も受けています。
- デイケアの8名の子どもは、歩く、動き回る、正確に座るなどの動作改善のための特別療法セッションを受けています。(粗大運動技術/cross motor 及び微細運動機能/fine motor skillsの強化)
- 5台の車いすがDisability Action Council (DAC)を通じてJICAより寄贈されました。14名の在宅ケアの子どもが療法を受け、歩行器・義足・車いすなどをプノンペン自立生活センターから寄贈されました。それにより、子どもたちが地域の公共交通機関にアクセスするできるようになりました。
- 大阪大学とカンボジア知的障害及び自閉症ネットワークからの資金援助を受けて、スポーツ文化交流が2回に渡り開催され、100名の障害児が参加しました。
- 8名の知的障害児がStar-Fish Foundationから月に1度サッカーのトレーニングを受けています。そして年に3から5回程度の他チームとの対抗試合もしています。これは障害者権利条約に基づくスポーツ活動に関連した国内イベントの1つになっています。
- 50名の子どもは全員が個別教育計画に基づく発育状況の評価を受けています。それは、親からのインプットと伴に、職員及び特別支援教員によって実施されています。
- 12名の子どもが歯医者の診察を受けました。
- 12名の知的障害児がSide by Side International の資金援助により訪問ドクターの診察を受けました。健康チェックと、親への健康に関するアドバイスを受けました。ビタミンAのサプリメントと、害虫駆除治療も受けました。
- 5名の子どもがThe Center for Child and Adolescent Mental Health (CCAMH) とRussian Hospital より、薬物治療を受けました。この治療により感情をコントロールすることと、攻撃性を和らげることができました。
- 子どもたちは、タオル・歯ブラシ・石鹸などの衛生用品のセットを支給され、小さな名前入りの箱に保管して、デイケアセンターで使用しています。
- クメール新年(4月)とクリスマスの祝日にはお祝いをし、子どもと親と職員は楽しい時を共にしました。
2. 在宅ケアプロジェクト
- 現在23名の子どもが在宅ケアに登録しています。職員が週1度家庭訪問をし、子どもの活動への参加のサポートをしたり、コミュニティからの孤立感を防ぐことを目的としています。在宅ケアサービスは、個別教育計画による日常生活動作の向上に焦点を置いています。内容はリハビリテーション、予防及びヘルスケア戦略などです。
- 子どもたちは週1度フィールドスタッフ及びボランティアによる理学療法を受けています。数名の子どもはVariance International Cambodia (VIC) での特別なリハビリテーションを受けるよう紹介されました。
- 5家族が指導と療法のための器具を受け、特に顎運動と車いすの使い方が改善されました。
- 1名の子どもが月に1度、CCAMHよりチェックと特別な医療ケアサービスを受けています。
- Side by Side International organizationの支援により、日本人医師からの歯科サービス(2名)とヘルスケアチェック(4名)を受けています。
- 23家族が在宅での子どものケアの向上に関するトレーニングを受けました。更に、児童保護について、応急手当について、コミュニティでの身体的リハビリテーションなどについてのセッションも実施されました。
- 23家族のうちの、20家族に対して個別教育計画についての追加研修及び指導が行われました。家族は計画策定において意見の提供をします。この研修は両親のケアの質を高め、子どもの行動のコントロールの改善のために重要なものです。
- Veterans International 及び UNDPによる追加研修がありました。そのプロジェクトはベストプラクティスとして、社会問題・退役軍人・青少年更正省のCBRワークショップを通じて、共有されました。
- Komar Pikar Foundation とHHCのファシリテーションにより、2日間のワークショップが開催されました。自閉症の定義、セルフアドボカシー、自閉症の人たちとの個別対応などについてです。ワークショップでは代表メンバーを選出する投票も行われました。HHCからは親と子どもがそれぞれ7名ずつ参加しました。
- 権利擁護 - Morokat Nhem 女性省次官閣下がHHCの在宅ケアプログラムの一環として、8家庭を訪問しました。この訪問の目的は以下のとおりです。1)親とコミュニティに対して、障害児をもっとケアするよう促す2) 障害のある少女の親を励ますことは女性省の課題の1つである3) 彼女たちが1人ではないと感じることができるよう、障害のある少女を個別に勇気付ける4) 州レベルの女性局及び、郡の社会局オフィス (DoSVY) に対して、定期的な障害児についてのフォローアップをするよう促す5) コミュニティにおける障害児に対する差別を減らすための啓蒙及び、HHCスタッフがミッションとビジョンを達成できるためのサポートをする。
3. 啓蒙及び権利擁護プロジェクト
- HHC はコミューン評議会と協働しています。特に、新しい対象コミューンSvay Rolum にある、女性子どもコミューン評議会の代表と協力しています。彼女は、そのコミューンにいる10から15人の障害児について報告してくれました。それによると、ほとんどの子どもはコミュニティから孤立しており、家族や地域の人々からの差別の経験があり、支援が必要ということです。2016年1月から2月にかけてその子どもたちに対してアセスメントが行われました。HHCは、その子どもたちへの働きかけについて、女性子どもコミューン評議会により親密な協力を依頼しました。
- 情報省大臣が8月24日にHHCのデイケアセンターを訪問し、150名の親と子ども、さらには地域コミュニティの人々の昼食をご馳走してくれました。基調演説では、省内に募金箱を設置することで、知的障害児のための支援を続けていくこと、障害者の権利に関するメッセージを全国ラジオ放送で放送すること、そして、2016年には新しいデイケア施設の開発のための土地を提供してくれることなどが伝えられました。Khieu Kanharith 閣下も、HHCの事業のために土地を与えることを気前よく約束してくれました。
- コミュニティに対しての基調演説の中で、Kim Sethany教育省長官閣下は、HHCのプログラムは、全ての子どもの教育アクセス確保の助けとなっている、効果的なモデルである、と触れました。彼女はまた、カンボジアは未だMDGsを達成しておらず、報告によると6万人の子どもが学校に通えておらず、HHCは障害児、特に知的障害児に関連することでこの問題に取り組んでいると述べました。
- HHCの取り組みが認められ、閣下は公務員の地位を申請することを奨励しました。それにより、HHCのスタッフは公的資金から給与と年金を受け取る資格が得られます。障害児と直接に活動する現地組織のインクルージョンの増加に対しての、資金援助について、UNICEF及びCDIDFへの感謝も述べられました。
- 啓蒙活動を地域的・全国的に実施しました。45名の子どもが4月の全国自閉症の日のイベントに参加しました。イベントは、DAC、MOSAVY、APCDによって主催され、カンボジア日本人財開発センターで行われ、36のNGOが参加しました。
- 毎月1度、15から20名の子どもを対象に、川沿いへや地域コミュニティへの遠足を開催しています。学生や地域の人々との繋がりをもつことを目的としています。午後3時から5時の間で小学校近くの公園へピクニックに行き、人々と話をしたり、アイスクリームを買うなどして、一緒に楽しく過ごします。
- スタッフが1つのコミューン内5つの村で障害についての啓蒙活動をしました。イベントには計136名の村人が参加しました。障害予防、早期介入、コミュニティや地域のリーダーたち内にある差別の解消などを軸にした研修が実施されました。
HHCは、5つの地域の学校に障害者にアクセシブルな設備を設置しました。 (2つの小学校、2 つの高等学校、そして1つの中等学校です)。これは車いすを利用している子どもや、義足を利用している子どもにとって素晴らしいものです。ある学校では、以前はバスルームや教室へ全くアクセスできませんでしたが、今回6つのランプが設置されました。
- 障害児教育推進についての大きなポスターが、7つの省庁、5つの州オフィス、CIDANメンバーの14のNGOへ配布されました。インクルーシブ開発及び知的障害児の権利擁護の推進が目的です。
- HHCの代表及び知的障害及び自閉症のこどもたち、そしてその親たちは、APCD共催のもと、タイ政府及び日本政府主催の技術協力スキームの一環として開催された、「第3国トレーニングプログラム “CBIDに関するナレッジクリエーションフォーラム 2015 (自閉症及びその親の能力開発)” に参加しました。プログラムの一般目的は、CBIDの視点からの、東南アジア地域の若い知的障害者、自閉症、難聴者のエンパワーメントです。
- 全国スポーツイベント(スペシャルオリンピックゲーム&レクリエーション)が、CIDANの8つのメンバー間において、8月と11月に開催されました。このイベントは子どもがその能力を発揮することを促、障害者と障害のない人の間に障害者の権利を推進するものです。11月に開催された第2回目のイベントの際には、障害活動評議会の事務局長兼MoSAVY代表である、Makara氏が来場しました。
- 7月から11月にかけて、4つの村で啓蒙についてのミーティングが行われました。在宅ケアのスーパーバイザーにより、障害児への早期介入の重要性について強調されました。このガイダンスは政府の政令(sub-decree)によるものです。
- 8月24日に、サリン氏がカンボジアテレビネットワークでの基調講演に招かれました。障害の啓蒙・早期介入の重要性・カンボジアの知的障害児や自閉症の子どもに関することなどを話しました。更に、12月にはカンボジア国営放送を通じてHHCの宣伝するインタビューが実施されました。
- 12月には、年に1度のキャンプ・キャンペーンが行われました。イベントの名前は、 “一緒に知的障害児と自閉症の子どもへの差別を無くそう!“です。50名全ての子どもと、その親50名で祝いました。セッションはNhem Morokat女性省次官閣下の挨拶で始まり、2日目はシアヌークビル市長のYun Min閣下により進行されました。
- 国際障害者の日をお祝いするため、(12月7日)、25名の子どもと25名の親がプノンペンで開催された全国イベントに参加しました。Men Sam An副大臣が司会進行を務め、副大臣は障害者の国家政策推進についてのスピーチも行いました。
- フェイスブック等のSNSの有効活用や全国テレビ放送は、一般へ向けた啓蒙活動の助けとなるだけではなく、他部署の公務員への啓蒙へもつながります。HHCがプラットフォームとなり、重要な立場として挑戦していくことは、障害問題と障害者の権利へのより深いエンゲージとリスポンシブにつながります。貢献の意思があり、影響力のあるキーパーソン、例えば大臣クラス高官などと、効果的に交流することは、障害問題の放映時間を強調し確保することにつながります。全ての大臣が、これらの活動は知的障害児についての認知度を高めるための、強力な啓蒙となると言及しました。
情報省大臣とその妻が4月と8月の2回訪問し、ソーシャルメディアにて知的障害児及び自閉症の子どもについて宣伝しました。
CIDAN の活動はAPCD の支援を受けています
大人の知的障害者及び自閉症の人の研修(タイのAPCDにて)
路上で行われた、自閉症児に対する差別反対の特別な啓蒙活動が行われ、150名以上が参加しました。(政府高官も参加しました)
4. 親サポートグループプログラム
HHCは現在50名の障害のある子どものために活動していますが、32名の親だけが定期的に自助グループの活動に参加しています。自助グループの組織や規定はKampong Samnanhコミューンのコミューンカウンシルによって承認されています。グループは月に1度ミーティングを行い、子どもの発達やビジネスマネジメント、親の指導力などの問題について議論したり、議長・副議長・会計の選出などを行っています。 (6の将来計画参照)
- 月の定例会議 - 親たちは問題の共有や、子どもの成長について報告したりします。25から50名の親が定期的にミーティングに参加していますが、週末は休みたい時もあれば、仕事で忙しい時もあります。
- Transform Asia が 10 トンのお米を寄付してくれました。障害に焦点を置いている7つのNGOと、45の得に貧しい家族に、各家庭50kgずつ、分配されました。
- 親たちはプログラムに感謝しました。話し合われた問題は、子どもたちが成長するにつれ、十分に子どものケアができなくなってしまうのではないか、という心配ごと、重度障害児は成長が緩慢な傾向にあること、いくつかの施設やリソースへのアクセスが未だ難しいこと、多くの家族が貧困であり、十分な食料が確保できないことがあることなどです。
- 7月には、25名の親が、知的障害児の親たちが運営している3つの企業を訪問しました。鶉の飼育、野菜の栽培、雑貨店などです。親たちはこのような学びの機会や、質疑応答に応じてくれたことに感謝しました。
- 月に1度、親のサポートグループミーティングが開催されました。目的は、子どもの成長や子どもに関する課題について共有、情報共有、及びプログラムへの提案の作成です。多くの親が、コミュニティでの権利擁護に関する新しい経験を得ました。そして、彼らの地元で差別の問題について取り上げるということに、自信を持つことができました。
- 2人の親がデイケアでボランティアをしました。それは、彼らにとっても、家庭で活用できるグッドプラクティスを学ぶことができる機会となりました。
- 親のサポートグループは計2,540米ドルを貯蓄スキームから得ました。14家族がグループから、スモールビジネスを始めるための資金の貸し出しを受けました。2家族がトゥクトゥクの運転手として働くため、モーターバイクを購入し、1家族は地元のマーケットで野菜を販売しています。1家族は鶉を飼育して、卵と鶉の肉を出荷します。1家族は家の修繕のために資金を借りました。
- 23家族が、ハンディキャップ・インターナショナルが作成した‘Functioning for Children with Disabilities and Development’マニュアルを受け取りました。
- 本年度は親やコミュニティメンバーの参加が、過去に比べてよりスムーズでした。HHCは地域拠点や、官僚・高官への訪問を通じて障害問題を前進させています。HHCは障害とは個人の問題ではなく、ましてや家族の問題でもなく、コミュニティ全体の問題として取り上げる問題であることを啓蒙しています。HHCは政府や一般企業とのパートナーシップ、そして彼らが協働する方法を急務で模索させることが、子どもの権利を保障することになると信じています。
- HHCは、初めてのチャリティイベントを12月5日に実施しました。そのイベントはMETAプロジェクトによって実施され、2014年にHHCで実施されたビーチキャンプに参加してくれた学生ボランティアが主導してくれました。そして、CamEdビジネススクールや王立プノンペン大学の学生と一緒に知的障害児のサポートをしてくれました。チャリティコンサートでは3名のCEOスピーカーにより基調講演が行われ、情報省大臣によって進行されました。主な聴衆は学生で、障害の啓蒙と事業の共有、そして新しい建物のためのファンドレイジングが目的でした。スピーカーは、学生や親に対して事業の経験や、個別の学びについて共有しました。スポンサーは以下の通りです。CDIDF/UNICEF CTN, CNC (ピザの会社) ICE; COMPT; Cellcard Blu; My All in One Mall; Major Ciniplex; World Bridge Commerce; HUB; Akasa Studio; MY TV; Laren (新聞社); Platinum Cinemaplex.
このイベントで、親たちは事業主からビジネスの研修を受けました。
5. おもちゃ図書館プログラム
おもちゃ図書館は安全な場所に設立されました。親や学生が様々な質の高いおもちゃ・パズル・ゲームなどを借りることができます。それらは子どもの成長を助け、遊びを通じて学びやスキル開発、想像力を推進させたりします。それらのおもちゃは家で家族と一緒に遊んだり、他のグループの子どもたちや障害のない子どもたちと遊んだりもできます。おもちゃ図書館は質の高い遊びの時間を家族と一緒に過ごすことや、共に学んだり成長したりすることを推進しています。
- デイケアサービスの27名の障害児と約100名の地元の学校の学生がおもちゃ図書館を利用でき、一緒に学んだり遊んだりしました。
- 在宅ケアプログラムの23名の子どもと、約300名の地元の学生とHHCの対象地域のコミュニティも同様に、移動おもちゃ図書館を利用することができました。
- 最低週3日、デイケアの27名の子どもたちがスタッフやボランティアの助けをかりて、おもちゃ図書館を利用しました。 それぞれのグループは 30から45分の遊ぶ時間が与えられました。1つのセッションには2、3 名の子どもが参加しました。1、2名のボランティアが遊ぶのに良い状態であるかどうかを確認するため、立ち会っています。
- 5月28日にワールドプレイデイのお祝いをデイケアセンターで行いました。45名の子どもと、25名の両親が出席しました。イベントはNhem Morokat氏の司会進行で進められ、80名以上の地元の人も参加しました。ワールドプレイデイは遊びの大切さについての啓蒙を目的としています。どのように子どもが学び、教育と同じくらい楽しいことも保障されるべきであるとしています。HHCは子どもたちが遊ぶゲームは、子どもたちの心身双方の成長のニーズに、直接つながっていると考えます。遊ぶことは子どもにとって仕事であり、ほかの子とのやり取りに必要不可欠なツールです。おもちゃは子どもが楽しみながら学ぶためのツールです。
- おもちゃの図書館全国連絡会代表のタカムラ氏がオリエンテーションを実施しました。移動おもちゃ図書館も訪れ、生徒と一緒の時間を過ごしながら、様々なおもちゃの扱いについて手助けをしました。
- The Japanese Toy FoundationはHHCのプロジェクトに対して、年間3,000から4,000アメリカドルの支援をしてくれています。
- 台湾とマレーシアのおもちゃ図書館協会のメンバーより、様々なおもちゃが寄付され、コミュニティプログラムにも訪問を受けました。
- アジア太平洋地域のおもちゃ図書館プログラムの発展のために、韓国・日本・台湾のおもちゃ図書館協会と定期的に連絡を取っています。
6. インクルーシブ教育プログラム
インクルーシブ教育は、特に軽んじられたり、排除されたりしている弱者に焦点を置き、全ての子ども、青年そして大人の学びのニーズに対応しようと努めるものです。インクルーシブ教育とは、教育青年スポーツ省の国家計画を通じた、子どものニーズに対応するための地域の教員の能力開発、ということも含んでいます。HHCは5から7校の地域の学校と一緒に、8名の肢体不自由児のインクルーシブ教育の実施のために活動しています。この子どもたちは、教材の支援と、月に1度その成長についての評価を受け、更には教育に関わる様々な問題について教師や校長と連携しています。家族に対しても、通学させることを促したり、彼らの子どもに影響する差別やその他の社会的問題の支援などを行っています。
- 9月に、インクルーシブ教育カリキュラムについて、スタッフが3日間のトレーニングを実施しました。 Kompong Samnanh Hun Sen 小学校の25名の教師が参加しました。州の教育部によるブリーフィングが行われた後、HHC代表により障害運動と国家行動計画についてのプレゼンが行われました。(UNICEFとオーストラリアドナーの支援による)。
- 第2回目のトレーニングが10月に行われました。HHCは再び州教育部と協働し、タクマオ小学校から51名の教師が参加しました。 (このトレーニングはLife Giving Network及びオーストラリアの友人からの支援による)。
- この2つの対象校の校長は、学びが応用されているかどうかを確認するため、トレーニング後のフォローアップを行いました。学校には教育青年スポーツ省のカリキュラムのコピーが配布されました。
- 障害の啓蒙をスローガンに掲げた旗が5つの小学校に配布されました。旗に書かれたメッセージは、全ての人のためのインクルーシブ開発と教育の平等が謳われています。それには、地域の人々の間における差別の解消も含まれています。
- 州の教育部との定例会議が行われました。内容は子どもの通学のモニタリングと、彼らが学校やデイケア、在宅ケアなどのサービスへ確実にアクセスできているかどうかです。
- 3人の男の子:それぞれ筋ジストロフィー、脳性まひ、知的障害(発達が遅れているという可能性の子どもも含まれる)の子どもたちが、デイケアでの後半半分の時間を使って、半日学校へ通うことができました。
- インクルーシブ教育プログラムを通じて学ぶ全ての子どもたちが、ペン・本・ノート・制服・バッグなどの支給を受けました。
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カンダル州でのインクルーシブ教育プログラムの活動の様子
7. マネジメント及び管理に関する主な成果
- Child to Child(イギリスNGO)や訪問者、スタッフを通じて、児童保護の実施に焦点を当てた活動が拡大しました。
- 4回の理事会が実施されました。現在の問題、資金、ボランティアポリシーの開発、内部規則の見直し、デイケアの建物建設についての適法性と計画策定などについて話し合われました。
- 情報省大臣より、タクマウ地区のSvay Rolum コミューンの土地1,371平方メートルが寄付されました。その土地は埋め戻しと道路へのアクセスの確保が必要でしたが、ありがたいことに、様々な民間のドナーが寄付をしてくれました。法律相談や建築サービスが、プロジェクトのために無料で提供されました。
- HHCの代表が障害分野で活動するNGOから15名のスタッフのチームを結成しました。(KPF7名, DDSP3名, HHC4名, Hagar1名), そして、5日間の研修旅行で、タイのChristian Care for Children with Disabilities (CCD) を訪問しました。CCDはタイ政府と25年以上に渡り協働している団体で、その活動には政府公認を得ています。重要な学びとしては、子どもの保護の重要性、–適切な話し方、子どもの健康のためのより深い理解などがありました。CCDのCBRの活動は特に有益なものでした。親やコミュニティとより効果的に活動するための戦略の改善の仕方や、彼らの貢献や参加の拡大、それらの過程においてCCDがファシリテーターの役目を果たしていることなどを学びました。
- 加えてチームはAPCDを訪問し、開発プロジェクトについて学ぶ機会を得ました。それはカンボジア知的障害及び自閉症ネットワークの編成を動機付けるものでした。(以下参照)。HHCは学びとトレーニングのことを親たちに共有しました。 親たちの家庭を訪問して、CCDの経験から、ネットワークへの関わりがどのようにプログラムをより良いものへ変えていくことへつながったか、特に自閉症の問題について、証言とケーススタディを伝えました。
- 2013年から14年にかけて、知的障害分野における日本やその他のアジアのカウンターパートとのミーティングを通じて、(特にベトナム自閉症ネットワーク協会(Vietnamese Autism Network)、Autistic Thai Foundation、APCDなど)、HHC代表は、とりわけ自閉症児とその親のニーズに応えるプラットフォーム開発に向けて、大いに動機付けされました。関心分野については、CCAMH, KPF, CAMYOD and PACHIDなどの障害分野の仲間とのミーティングで徐々に発展されていきました。そして、APCDとNGOによる、より幅広いコンサルテーションにより、コンセプトペーパーが作成されました。以下は、Disability Action Council authority とのミーティングです。DACはワークショップの実施や、カンボジア知的障害・自閉症ネットワーク (CIDAN) の運営をしています。このイベントはAPCDの支援によりNGOとDAC により開催されました。
3月31日から4月1日にかけて、14 NGO (162名の親と子どもたち)と、UNICEFやUNDPからの代表をがlaunch-workshop eventに参加しました。 6名の基調講演が行われました。(HHC代表、KPF、ラビットスクール、CCAMH、教育省、社会福祉・退役軍人・青少年更正省)。CIDANメンバー間の選挙も行われ、NGO代表としてCCAMH、KPF、HHC、親の代表(CamyodHagar、DDSP)が選出されました。CIDAN は今日では、自閉症と知的障害のために、政府と連携して活動する団体であると全国的に知られています。
- CIDANの結成は、特に弱者グループの特別なニーズに応えるため、 (このケースでは自閉症の人たちのこと) 個人、親のグループ、NGO、政府代表のコミットメントと、それらの協働という点で模範となる例です。そして、知識の拡大と障害に対する正しい対応についてデザインされた運動が始まります。
- スタッフの3日間の慰安旅行が実施されました。2016年へ向けた新しい計画を立て、前進するためです。スタッフはリラックスして、ビーチでストレス解消をしました。
8. 予算
CIDAN メンバーのAPCD訪問。APCDリーダーによる歓迎を受けた。
9. 課題
前年度より、デイケア施設は雨季の期間引き続き洪水に見舞われています。今年は多くの子どもが参加したこともありより不十分な設備となってしまっています。その他の問題は、シロアリ被害によって内側が破壊されています。そして、施設は“ブラインドコーナー”と呼ばれるところに位置しており、門の外で常にモーターバイクの事故が起こっています。子どもとスタッフの双方を非常に不安にさせています。年の後半には、地主は土地を売ることと、賃料を値上げすることを示していました。なので、 Mrs. Khieu Kanharith の土地の寄付に多大な感謝をしています。HHCは、2016年2月には現在の土地からは立ち退き、新しい施設が建設されるまで、州知事と州教育部により提供された仮の施設へ18ヶ月移ります。
- HHC代表の仕事量が増えており、理事と関係者は彼の心配をしています。ハイレベルな権利擁護活動、CIDANの運営、その他の障害啓蒙推進活動のイニシアチブ、HHCの様々な計画などは、十分にサポートを受けられていません。この問題に対応するため、理事は2016年に日々のプログラムを監督する能力のある、アシスタントディレクターを採用する予定です。更には委任を受けて責務を果たし、代表をサポートしてもらいます。
10. 連絡先
カンボジアオフィス
チャン・サリン(設立者・代表)住所: #B6EO, Toul Kork, Sankat Toul Sangke, Khan Russey Keo, Phnom Penh 電話: (+855) 23 864 291 website: www.hhccambodia.org