Duskin Leadership Training in Japan

活動報告

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第11期生 ジャムナの活動報告

CILカトマンズ
経過報告:2019年1月

団体の紹介

CILカトマンズは、障害者による障害者のための、非営利・非政治的な障害当事者団体です。自立生活をコンセプトに、障害者(PWDs)権利の促進と保護を行うために設立された民間団体です。障害者によって定義された「自立生活」という用語は、あなたのために何かをする、一人で生活をするという意味ではありません。日常生活において必要な援助や支援機器を選択したり、管理したりするという意味です。また、社会が提供しなければならない適切な環境、つまり住居や交通、医療サービス、雇用、同様に娯楽や教育、訓練の機会にもアクセスすることを意味しています。自立生活(IL)は、障害者の人権を促進し保護するための障害者の展望であり、哲学であり、運動であります。

カトマンズ自立生活センター(CILカトマンズ)は、女性子供省や社会福祉省、NPO法人自立生活センターイルカ、沖縄県、JICA沖縄、オーストラリアのボランティアプログラム、Planete Urgence、ネパールの地方自治体の援助を受け、ネパールで自立生活の概念を促進し確立するために活動を行っています。

1月は、国内におけるアクセシビリティと支援機器の製作、自宅訪問、ピアカウンセリング、観光地におけるバリアチェック等といった、大きな支援運動を成し遂げるために活動を行いました。さらに、CILカトマンズは、ネパールにおける将来の車いす製造のパートナーシップの基礎を築くために、組織のミッション、ビジョン、目標をさまざまな国内および国際フォーラムで共有することに積極的に関わりました。

2019年1月の間に行われた活動は、以下の通りです。

1. アドボカシー

CILカトマンズは、Baneshworにある運輸省にて支援運動を行っています。チームは、事務局長のLawanya Upaadhyaya氏と理事のTirtharaj Khanal氏とGokarna Prasad Upadhyaya氏に会いました。そして、障害のある個々人の公共交通機関や道路、信号に対する主な課題を共有しました。同様に、障害者の参加を制限した交通機関に変化をもたらすよう、Lawanya氏と彼のチームに嘆願書を提出しました。Lawanya氏は、公用車や公の場にアクセスするのを可能にするために、今度の政府のプランを共有しています。彼らは、公共バスやその他の公共交通機関へのアクセス化に向けたインクルーシブ施策と戦略を構築するために、必要なプロセスを実行しようと時間を費やしました。

写真1:運輸省での支援運動。Lawanya氏が車いす対応バンを観察している。

写真1:運輸省での支援運動。Lawanya氏が車いす対応バンを観察している。

2. 自宅訪問と個々のピアカウンセリング

自立生活運動において、ピアカウンセリングは、障害とともに生きる個々の真のニーズ(医療的援助か心理的援助か)を見つけ出すために重要な役割を果たしています。カウンセラーは、適切な解決方法を発展させるために、クライアントの心理・社会的状況を分析します。これは、自分の障害についての理解を深め、障害を受け入れ、直面する地域の障壁に対処し、除去できるという自信をもつことができるようにするためです。

ピアカウンセリングの根底にある前提はみな、もし彼/彼女が(ピアカウンセリングの)機会を得たら、日常生活の問題のほとんどを解決することができるということです。ピアカウンセラーの仕事は、誰かの問題を解決することではなく、単にその人が自主的に適切な解決法を見つけるのを助けることです。ピアカウンセラーは、何をすべきかを言ったり、規定されたアドバイスを与えたりしません。その代わり、ピアカウンセラーは、本人の経験を聞いたり、報告したり、彼女/彼をサポートするために、カウンセリングを受ける人と一緒に機会やリソースを探したりすることによって、解決策を見つけるのを助けます。

CILカトマンズは、バクタプルのバルコットで自宅訪問を行いました。Shyam Karki氏のお宅を訪問する主な目的は、彼の生活状況を把握し、ストレスを軽減しメンタルヘルスのサポートをするための助言を提供することでした。チームは、彼の積極的な車いすに関するニーズ、彼と奥さんのための職業訓練のサポートへのニーズ、親の財産権に対する訴訟事例の支援について知ることができました。

写真2:Shyam Karki氏は、自宅でCILカトマンズとPFPIDの訪問を楽しんでいる。

写真2:Shyam Karki氏は、自宅でCILカトマンズとPFPIDの訪問を楽しんでいる。

CILカトマンズは、車いす製造のスタッフを送り、将来Karki氏にカスタマイズされた車いすを提供するために彼のニーズを評価する予定です。知的障害の親連盟(PFPID)のアドバイザーであるMukunda Hari Dahal氏は、Karki氏の親の財産から利益を得るための法的措置に必要な支援を提供することを約束しました。同様にCILカトマンズとPFPIDは一緒に、Karki夫妻の仕事を探したり、職業訓練センターと彼らの生活圏をつなげるためのサポート源を探すでしょう。

CILカトマンズは、Shyam Karki氏への私たちの訪問を調整し可能にした、PFPIDの元・会長であるMukunda Hari Dahal氏とAchyutraj Acharya氏に特別な感謝を表明します。

3. 車いす製造活動

CILカトマンズは、車いすのモデルを再デザインし、地元で入手可能なリソースを活用した車いす製造をリードし、ネパールで最初の電動車いすを含め、設備の整った車いす製造および修理センターを設立する活動を喜んで続けています。これらのサービスを提供し、車いすの改革とデザインにおけるより多くの研究が行えることに興奮しています。新しいワークショップには必要な機械が備え付けられ、最近、車いすの製造活動を担当しているチームは、アクティブ手動車いすの2つのモデルを革新しました。これらの車いすは、アクティブで快適な機能を備え、アルミニウム製で重さは9kgになります。

写真3:CILカトマンズは、ネパールで電動と手動の車いすを製造した。

写真3:CILカトマンズは、ネパールで電動と手動の車いすを製造した。

4. 新しいプロジェクトの提案における障害者団体(DPOs)パートナー

CILカトマンズは、2019年1月16日にNational Association of Physical Disabled (NAPD)とNational Spinal Cord Injury Sports Association (NSCISA)と会議を開きました。会議を行う主な目的は、ネパールにいる障害者の権利を確保するため、組織を率いる3人の障害者がデンマークに拠点を置く障害者組織とパートナーシップを築くことができるように、将来の活動のためのコンセプトメモを完成させることでした。自身で決定することにより、選択したコミュニティで自立して生活する権利を受けることに関する既存の課題について共同で共有しました。これらの議論に基づいて、組織はネパール政府とともに存在している障壁を除去するため、社会的意識化とアドボカシーを高める方法を探すコンセプトメモをデザインしました。このコンセプトメモは、ネパール政府とともに障害者の権利を確保するため、特に意識化とアドボカシーを高めたり、組織的な発展/成長のためのお互いの知識と経験を学んだりすることに焦点を当てました。

写真4:CILカトマンズにて、3つのプロジェクトパートナーとのミーティング

写真4:CILカトマンズにて、3つのプロジェクトパートナーとのミーティング

結果として、2019年7月から2020年12月までの18か月におよぶ、デンマークの組織とネパールの組織の間の了解覚書ができました。デンマーク障害者団体(DPOD)の代表であるRenu Lohani氏は、未来のコラボレーションとパートナーシップに必要なすべての書類を完成させるためにチームをアシストしてくれました。

5. ルンビニとチトワンでのバリアチェック

韓国出身の車いすを使用している何人かの仲間は、最近旅行してネパールの美しさを見つけることに興味を示しました。彼らの謙虚な要請とメジャーな観光地のアクセシビリティ問題への関心の高まりにより、CIL-カトマンズの事務局長であるJamuna Subedi氏は1月22日から26日の間に世界遺産のルンビニとチトワン国立公園を訪問しました。

ルンビニは、ネパールの第5州・ルーパンデヒ群に位置する仏教の巡礼地です。そこは、ロードブッダが生まれた場所です。ルンビニには、マヤ・デヴィ寺院を含む多くの古い寺院があり、様々な国の仏教団体から資金提供を受けている様々な新しい寺院が完成または建設中です。多くの記念碑、修道院、博物館、ルンビニ国際研究所も聖地内にあります。また、プスカリニ池(聖なる池)もあります。そこでは、ブッダの母が出産の前に儀式の浸水を行い、ブッダは最初の入浴をしました。この訪問は、そこでのアクセシビリティと障壁を見るのに実りの多いものとなりました。

Subedi氏は、いくつかの寺院の入り口に障壁を見つけました。彼女は、ネパールにおけるアクセシブルツーリズムを積極的に促進する活動を行っている、いくつかのホテルのオーナーと彼女の経験を共有しました。訪問中、彼女はルンビニ・カンサイのBinesh氏とSakya MuniゲストハウスのRamesh Upadhyaya氏とBudhamayaホテルのLuru氏に会い、彼らのホテルの特徴について尋ねました。彼女は、歩き回ってホテルのアクセシビリティをチェックし、彼らのサービスは、世界中に広めようとしているルンビニの美しさと平和を探求するため、分離することなくすべての多様なグループの人々のためになるように、アクセシビリティを改善するよう提案しました。

写真5:世界遺産のルンビニにおけるアクセシビリティの課題

写真5:世界遺産のルンビニにおけるアクセシビリティの課題

同様に、Subedi氏はSafari Narayaniホテルでのアクセシビリティをチェックしました。チトワンは、ジャングルサファリで有名です。ソーラハは、ラプティ川とチトワン国立公園の近くにある村です。ジャングルサファリに加えて、伝統的な文化や習慣が保存されている、泥で塗られた小屋や家で作られた、小さくてとても田舎なタル村を訪れることができます。観光客は、チトワンが冒険に満ちていると感じます。なぜなら、チトワンはジャングルサファリをし、自然とその平和を感じる最も有名な場所だからです。ほとんどの観光客は、徒歩でサファリをします。ジープとぞうのサファリがここでは有名です。チトワンは、サイ、シカ、サル、ワニ、ヒョウ、ベンガルトラが見られることで有名です。

韓国からの友達の特別なリクエストに応じ、Subedi氏はアクセシビリティを評価するためにパティハニのSafari Narayaniホテルに行きました。この3つ星ホテルはラプティ川のそばに位置し、車いすを使用する人々を含め幅広い層の観光客がアクセスしやすくなっています。ホテルのスタッフは、ゲストの多様なニーズや優れた西洋スタイルのホテルの手配についてよく考えています。ホテルのマネージャーは、車いすユーザーを含む多様な人々の団体についての過去の経験を共有しました。その車いすユーザーの方は、ソーラハに来てタル村で文化や習慣を体験し、他の活動の中で象に乗るジャングルサファリや伝統的なタイプのボートを楽しみました。

この訪問は、カトマンズに位置するルンビニ開発基金(LDF)との支援運動を行うためのエビデンスを収集するのに有益なものでした。CILカトマンズは、来月LDFと一緒に支援運動を実施するための計画を立てています。アドボカシーミーティングは、LDFチームとの間で意識を高めることを見込んで、障壁を除去するために必要なステップを期待するでしょう。

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