視覚障害児に点字指導をする教師のための、トレーニングモジュール開発
2013年11月に、タジキスタンUNICEF代表と、タジキスタン盲人協会による、“視覚障害児指導をする教師のためのトレーニングモジュール開発”のプロジェクトが、助成を受けることになりました。正式に承認されたのは、2014年4月のことです。5月初めに、シオブシュ・イリヤソブさん、クルボナリ・ノルマトブさん、マヤ・カビロヴァさんの、点字の知識が豊富なスペシャリスト3名が情報収集を始めました。モジュールは特別支援学校及び一般校で視覚障害児を指導する教師のためのものです。このモジュールは、ロシア、カザフスタン、ラトビアに焦点を置いたものでした。準備期間中に、スペシャリストたちは、社会の国民意識に焦点を置いた、視覚障害児の全てのニーズを考慮しました。トレーニングモジュールは以下の8章から構成されています。
1. 点字の歴史 ルイ・ブライユ -視覚障害者のための教育システムの創設者
2. 視覚障害児教授法(Typhlo-pedagogic)
3. オリエンテーション
4. 点字学習法
5. 点字による数学の指導法
6. 指導のための手法やテクニック
7. 視覚障害者のための最新技術
8. インクルーシブ教育
このトレーニングモジュールの最大の目的は、全ての視覚障害児が、システムを知る教師の助けを得て、教育のツールとなる点字を学ぶことです。なぜならば、点字の知識がなければ、視覚障害児は識字レベルを上げることは不可能だからです。この点において、草案作成者は点字の学習レベルと、その他の視覚障害児の教育に必要なアイテムや指導法について考慮しました。
第1章では、点字システムの概要の歴史について、例えばいつ、誰がそれらのシステムを作ったなどの情報を知ることができます。第2章では、モジュール起案者が、教育レベルにおけるより詳細な情報を提供し、第3章は、点字を学習する以前に、視覚障害児の環境への適応能力を向上させる事例を学びます。このトレーニングモジュールで、最も重要なテーマは、点字学習です。教師は視覚障害児に対する教え方を知る必要があります。例えば、スタイラスの持ち方、スレートの使い方、パーキンスタイプライターの使用方法などです。教師は、どうすればより簡単に点字を教えることができるか、どのように視覚障害児は読んだり書いたりするか、どうやって教師は間違いを直すか、などなどです。
もう一つの重要な点は、触覚を駆使するということです – それは、文字を読む際に、手と指を使い、数学の問題をとくというものです。トレーニングモジュールの準備中に、スペシャリストたちは、視覚障害者のための最新技術に着目しました。今日の最新技術は、視覚障害児のための、より良く快適な学習環境を整えることができます。コンピュータにより、子どもたちは、現在のトレーニングモジュールから新しい情報と、インターネットを通じて日々のニュースを得ることができるようになります。人々は自分で様々なニュースを得ることができるのです。
インクルーシブ教育のコンセプトを紹介することで、社会から隔離されることなく、視覚障害児は障害のない子どもたちと一緒に学ぶことができます。
このプロジェクト実施中に、共和国教師研修施設で働く教師を対象とした、2回のセミナーが開催されました。
第一回目のワークショップでは、2014年6月25日に開催され、22人が参加しました。その中には、教育科学省、ドゥシャンベ市教育課、ドゥシャンベ教育科学アカデミー及び障害者協会“Imkoniyat” (Academy of Pedagogical Sciences and the Society for Disabled “Imkoniyat” )などの代表らもいました。ワークショップ終了後に、参加者からコメントが寄せられました。それに基づいて、スペシャリストたちはトレーニングモジュールの欠点を修正しました。例えば、プロポーザルフォーメーションアカデミー代表からは、モジュールに視覚障害児教授法(typhlo-pedagogic)だけではなく、視覚障害児教育心理学(typhlo-psychology)の両方を含んではどうかと提案されました。更に、共和国教師研修教育アカデミー代表は、現在ある、視覚障害者のための特別な技術に関する情報がもっとあると良いと述べました。そして、モジュール製作者は、多くの情報を追加しました。
寄せられたコメントを反映されたモジュールは、タジク語の専門家によって、文法の間違いを修正されました。
そして2014年10月9日には、共和国教師研修施設の教師及び、タジキスタンの各地域から参加した教師に対して、2日間の研修が行われました。この回は32名が参加しました。多くの参加者が、非常に高い関心を持って参加し、点字学習に関する多くの知識を習得しました。各地域は、Isfara, Chikalovsk, Asht, Zafarobod, Kanibodom, Bobojon Gafurov, Hissor, Vahdat, Nurobod, Faizobodなどです。参加者全員が、視覚障害児の学習について学んだ様子でした。参加者全員が、とても早く実践的な方法をマスターすることができました。このプロジェクトは非常に高いレベルで実施され、そして、このトレーニングモジュールは、すぐに点字学習のために実施されるでしょう。モジュール挿入された写真も、教師のパフォーマンス向上に役立つことでしょう。
喜ばしいことに、2014年9月24日に、トレーニングモジュールは教育科学省国家評議会によって印刷の許可を得ました。これに関連して、教師研修施設の職員は、トレーニングモジュールに基づいて、視覚障害児が一般校で学ぶ際の教育レベルの向上のために、教師を指導することができます。
このような機会を与えていただいた、UNICEFのリーダーシップと惜しみない支援に感謝します。今後も、より親密な協力関係が続くように切望しています。