自立生活社会ネパール:2014年9月の活動報告
私たちの団体「自立生活社会ネパール(ILS-Nepal)」のスタッフの数が初めて5人になりました。仲間のみんなで障害のある二人、ヘム・グルングさんとアンジャナKCさんを選びました。そして9月7日、自立生活社会で介助者を選びました。これは私達にとってはじめての経験でした。地元の新聞に介助者(PA)募集の広告を出してもらいました。15人から応募があり、3人を採用しました。選考前、応募者全員に対して自立のこと、障害運動のこと、介助サービスについて話しました。その時、以前から私達を手伝ってくれていた友達と障害当事者である友達に、それぞれの経験について話してもらいました。そして車椅子の押し方も教えました。15人の応募者の中から選ばれたのは、スヂル・ガウィさん(男性)、ランジャタ・レグミさんとジャムナ・ネパリさん(女性)です。
9月9日に自立生活社会ネパールの仲間と新しいスタッフに自立生活について話をしました。障害がある人はどうやって自立生活ができますか?それについて話しました。彼らは以前、ポカラで開催されたセミナーで日本から来た障害者と会っていたので、自立生活について具体的にイメージすることができたようです。
9月11日、PASについて仲間やスタッフの皆と一緒に話しました。その時、新しいスタッフにもう一度仕事について教えました。そして、介助は障害のある人にとってどうして大切なのかについても話しました。
今、私達の団体には3人の介助者がいます。ですので、介助を使って色々なことをやっています。例えば、事務所の仕事をするのも介助のおかげで易しくなりました。また、他の団体のプログラムに参加することもできています。買い物や遊ぶこともできています。プログラムの日も、介助者たちは家まで迎えに来てくれ、帰りも送ってくれます。家まで行って、家の仕事も手伝っています。ネパールでは夜遅くまで外にいるのはだめですから、女性介助者が仕事をするのは夜7時までと決まっています。
9月13 日に団体のメンバーであるチェットさんがピアカンについて教えました。その時、新しいスタッフと仲間のメンバーでロールプレイをしながらピアカンをしました。その時、アンジャナも「ピアカンでは良く聞くことと時間を決めることが大切です」と話しました。そして、テンションバックについても話しました。
9月21日:ネパールは障害者にとって便利ではありません。皆が使う公共の場所も便利ではないです。でも最近に建った政府のある事務所は便利です。それは、所得税事務所(Income Tax Office)です。でも、ほかの新しい建物はまだ便利ではないです。今回は、女性と子どもに関する事を管轄する事務所に行って、車椅子使用者のためのトイレ設置の嘆願書を提出してきました。その事務所は障害のある人たちが障害者手帳(Identity Card)を申請しに行くところです。でもトイレがないので、いつも大変なのです。
私達は長年、障害者の権利のために支援活動をやっています。でも、いつもやっていても、本当の支援活動(advocacy)は何ですか?どうやってしますか?何人でしますか?―などについて知らない仲間が多いです。それなので、9月24日にそれについての勉強会を開催し、サラマ・クマリ・パンディーさんに声をかけて呼びました。彼女は、以前から女性の権利のために運動をやっている人です。でも障害については初めてということで、障害のタイプや色々な問題については良く知っていない様子でした。私達の団体に来て、みんなと話したことで彼女も勉強になったようです。そして私の仲間もadvocacyについて分かったから、嬉しかったです。
ネパールでは障害者のための小さなシステムがあります。例えば、障害者手帳の交付、障害年金制度、そして四輪バイクの税金免除制度などです。でも、そのようなシステムを知らない市民や政府のスタッフも大勢いるので問題です。今回も、障害のあるプレム・グルンさんは四輪バイク購入の際の税金免除の書類をもらうために何回も政府の事務所へ行きましたが、「そんな制度は知らない」と言われて毎日帰ってきていました。その後、私達みんな一緒に2日間その制度について書かれた紙を持って行き、政府の担当者に見せたところ、やっと税金納付免除についての証明書をもらえることになり、バイクを買うことになりました。私達の団体のバラットさんは、プレムさんと一緒にインドまで行って、彼がバイクを買うのを手伝いました。今プレムさんは、そのバイクに乗って楽しんでいますよ!
社会を早く変えることはもちろんできません。時間がかかります。それは皆分かります。でも始めてから頑張れば、だんだん変えることができます。9月、私達はいろいろなことをやりました。そして、いくつかの変化を見ることができました:
私達にはがんばってもできないこともあります。例えば:
10月のプログラムは前から計画に書いてありますから、それを実行します。いちばん大切なことは、10月にはネパールの2回目の大きなお祭りがあるので、仲間の皆で3日間、昼から夜11時までずっと歌を歌ったり、ダンスをしたり、団体のために募金活動をします。それらの練習にも時間がかかります。こんなタイプのプログラムをやったら、仲間の皆は嬉しくなりますし、募金もできます。また、いろんな人達と会うこともできるので、障害者運動もできます。
9月にいろいろなことをやりました。できないこともありました。でも仲間が皆でがんばっているから嬉しいです。パキスタンから来た障害のあるシャハブ・ウディンさんとも団体で会議をやることができました。シャフィクさんから私達の団体について聞いていたそうで、私達の運動を見て嬉しくなったそうです。そして、介助者がいるからたくさんのことをできるようになりました。もしこのレポートと私達の運動について何かアドバイスがあるようでしたら、よろしくお願いします。
ありがとうございました!
報告者:
ヘム・バハドゥール・グルン (事務局長)
アンジャナ・ケーシー (会計係)