2014年11月の活動報告
理事会メンバー及びスタッフ間において、自立生活のコンセプトを共有するために集まりを開いています。コミュニティに目に見える変化をもたらすための運動をする、モチベーションを高めることを目的としています。
11月吉日、関係者に対して自立生活コンセプト及び障害者にフレンドリーな環境の推進のため、セミナーが開催されました。主賓として、カスキ地区行政事務所副所長Chandra Nath Gautam氏が招かれ、他様々な当事者団体の代表が参加しました。例えば、カスキ盲人協会、知的障害者親の会、ネパール盲ろう者協会、ガンダキろうあ協会、ネパール障害者自立及び能力開発協会、ネパールインクルージョン及びエンパワーメントセンターなどです。様々な政府機関、NGO、民間部門、メディア、カスキ女性・子どもオフィス、 ポカラ・サブメトロポリタン市役所、カスキ地区都市開発及び建設オフィス、地域道路課オフィス、武装警察オフィス、ネパールコンサルティング・エンジニア協会、コミュニティサポートグループ、プレス・チョウタリ, ビッグFMラジオ、ラジオSafalta, などから代表者が参加しました。ヘムさんとアンジャナさんはアクセシビリティ及びバリアフリー環境、そして自立生活コンセプトについて発表しました。Hitman Chhantyal 氏は歓迎の挨拶を述べ、Ganga B. Khadka氏が議長を務めました。プログラムはKIOS(CILカトマンズの技術的調整を行う非政府組織)の資金援助を受けました。
セミナーの様子 |
自立生活センターの介助者サービスは、センターのメンバーに活発に提供されています。介助者の1人の、Sudhirさんは、ヘムさんがビザ取得の手続きのためにカトマンズを訪問した際に同行し、素晴らしいパフォーマンスをしてくれました。代表のGanga氏が、Hetaudaで開催されたネパール障害者協会の年次総会に参加した際にも、同じような働きをしてくれました。RanjataさんとJamunaさんも、重度障害者の介助者として素晴らしい働きをしてくれていますし、事務所を綺麗に保ってくれています。
自立生活センターは、女性・子ども事務所とポカラ・ライオンズクラブを再訪問し、障害者にフレンドリーなトイレを設置するために尽力しているか、確認しました。しかし彼らは、この問題を予算を理由にうやむやにしようとしています。私たちは障害者にフレンドリーなトイレの建設又は改修するよう、圧力をかけました。
さらに、アンジャナさんは、正面入口の横にランプが設置されている、カスキ地区行政事務所を訪れました。 ランプまでの通路は非常に狭く、壊れた雨水の排水口カバーにもつながっていて、障害者には危険でした。加えて、ランプがあることを示すような、サインや注意書きのようなものもありませんでした。この問題について地区行政事務所と話合いが行われ、新しい排水口のカバーに交換することと、ランプの存在を示す掲示板を作ることを約束しました。
自立生活センターのメンバーの1人のGitaさんは、脊髄損傷の車いす利用者です。彼女は、婚姻証明、市民証明書、障害証明書などの法的書類の発行の際に、夫や家族からabuseされていると訴えがありました。それらの書類を入手するためのアシスタントを得るプロポーザルは、法律上義務付けられているものですが、 彼女のすることではないと、夫や家族から破棄されてしまいました。彼女は、夫の不誠実な態度を告発しました。加えて、夫は公的書類の発行に際してのサポートを嫌がりました。それらは、将来彼女が法的権利として財産分与の要求をすることを妨げるものでした。彼女は自立生活センターへ、バックアップを求めました。センターは推薦状を用意し、彼女の固有の権利を保障するために適切なアクションをすることを、権利擁護フォーラム及び地区女性の権利擁護グループと協議しました。この事件は、特にネパールのような障害のない人が支配する社会においては、非常に困難なケースですので、決着がつくまでまだまだ道半ばです。
センターのチームがアドボカシーフォーラムオフィスを訪問し、議長のMs. Sarala Pandeyと面会してGitaさんの支援のための推薦状を渡しているところ |
アンジャナさん、Hitmanさん、Chetさん、介助者のJamunaさんとSudhirさんは 上級二次学校(11から12学年)を訪問し、一般的な障害に関するコンセプト、介助サービス、障害者にフレンドリーな学校環境、ネパールの自立運動について伝えました。ボランティアのAshika Chandさんは、センターでボランティアとして障害者と共に働いた経験を共有しました。SudhirさんとJamunaさんは、彼らの考えや経験を共有しました。プログラムのねらいは、若い世代を通じて、ひいてはコミュニティ全体に対して、全ての人のための社会を創ることを周知するためです。
ChetさんとSudhirさんによる、オリエンテーションと、車いす操作のデモンストレーションの様子 |
5日間に渡る‘プロポーザル及びレポート作成’研修は、センターの理事、メンバー、スタッフによって、基礎的な知識と技術が教えられ、成功裏に終了しました。このプログラムは、'Planet Urgent'というフランスの国際NGOとCILカトマンズの協力により、実施されました。Planet Urgentのボランティアの、Patrick Descamps氏が、セッションをファシリテートし、Planet Urgentの国代表であるPerle Vincent氏の指導を受けました。
センターの理事会は、ヘムさんのビザ申請を承認し、ヘムさんは沖縄へ3ヶ月間の研修に行けることになりました。自立生活コンセプトと日本の事例を学び、リーダーシップ能力を向上させ、ポカラの障害者運動をより強固に牽引することができるでしょう。
アクションプランを適切に実施するために、最善を尽くしていますが、引き続き限界と課題があります。
12月には、12月3日の国際障害者の日に焦点を当てます。同様に、介助者サービスプログラムについての、学生や大学の運営側とのインターアクションプログラムや、ピアカウンセリング及び家族カウンセリングプログラム、バリアフリーチェック、権利擁護及びロビー活動、学生に対するオリエンテーションなどが実施されます。
11月は、センターにとって、ポカラにおける障害者のエンパワメントと自立生活運動を強固にする、アクションプランの実施が十分に成功した月と言えます。自立生活コンセプトやバリアフリー環境に関するセミナーは、関係者に対してそれらのことに関する明確な見方を培うことができました。介助者の動員は重度障害者の日常生活をより楽にしました。権利擁護及びロビー活動は、障害者の問題を省みない既存の社会及び政治制度に対して、圧力を与えました。学生に対して実施されたオリエンテーションは、障害者に対する考え方を構築することができました。プロポーザル・レポート作成研修は、スタッフとメンバーの知識と技術向上につながりました。最も重要なことは、センターは、自立生活センターイルカが、ヘムさんが日本で学ぶための素晴らしい機会を与えてくれたことです。ヘムさんに与えられた機会は、ネパールにおける自立生活運動推進を強めることでしょう。ネパールの自立生活運動の先駆者である、クリシュナさんの協力に、感謝します。大野純子さんが私たちのセンター、CILカトマンズ、そしてイルカにおいて果たしてくれた大きな役割にも敬意を表したいです。そして、尊敬すべき長位鈴子さん、正に自立生活運動の象徴であり、大恩があります。私たちが自立生活の夢を紡ぐことを導き、ネパールの地域社会において実現することをアシストしてくれました。
皆様に感謝申し上げます。
報告者:
Hem Bahadur Gurung、事務局長
アンジャナ・ケーシー 会計/ダスキン14期生
ネパール自立生活協会