国連女性差別撤廃委員会でのネパールにおける女性障がい者を取り巻く状況に関する口頭発表の報告
私の名前はラクシミ・ネパールです。ネパールから来たダスキン第19期生です。今日は、ジュネーブの国連で行われた第71会期女性差別撤廃委員会(CEDAW:Committee on the Elimination of Discrimination against Women)でネパールの女性障がい者を取り巻く状況について口頭陳述した経験をお話します。今年の女性差別撤廃委員会では、ネパールの第6回定期報告のレビューが行われました。政府報告とは別に、私たち市民社会団体の代表者たちは女性差別撤廃委員会にネパールの女性差別撤廃条約の達成状況についてシャドーレポートを提出しました。
本会期前のネパールのシャドーレポート作成段階において、私は女性障がい者に対する問題提起を積極的に行っていました。その結果、国連開発計画の支援を受け、ネパールの市民社会団体の女性障がい者を代表して本委員会に参加する機会を得ました。
国連で実際に政府と女性差別撤廃委員会レポートのレビューを行う前、市民社会団体から女性差別撤廃条約が締約国に課す義務の達成状況ついてブリーフィングがありました。そこで、各国の市民社会団体やNGOに対し10分間の口頭陳述が与えられました。嬉しいことに、私は初めてこのような国際的な条約のレビューに参加し、ネパールの市民社会団体に割り当てられて自国の女性障がい者の状況についてステートメントを述べました。ネパールには様々なグループから自分たちの意見を述べたい代表者が沢山いたので、私はネパールの他の登壇者と同じように2分間の口頭陳述が与えられました。
私はとりわけ女性障がい者に関して2つの課題を取り上げました。1つ目は、暴力に対する女性障がい者の司法へのアクセスの欠如であり、①法廷で有資格者の手話通訳者を同伴すること、②寄宿学校で学ぶ障がいのある女子は性的暴力にあいやすいので性教育を行うこと、③女性障がい者が法や政策立案に関わることを提言しました。2つ目は、ネパールにおける女性障がい者の経済的エンパワーメントの機会の欠如です。これに対して私は、女性障がい者の経済的向上のための生活プログラム実施を提言しました。本会期のネパールの女性差別撤廃委員会シャドーレポートで、以上のようなことを発言し、女性障がい者の多くの課題が取り上げられたのが、とても嬉しかったです。この女性差別撤廃委員会のレビュー後、女性差別撤廃委員会は11月末に総括所見を発表し、ネパールは今後よりこの総括所見を道義的に取り組む義務を果たしていきます。
国連の口頭陳述に関してのリンクは以下の通りです。
出典:UN Web TV (11:40分あたり)
日本でのダスキンリーダーシップ研修の期間中、私は日本障害者リハビリテーション協会(当時)の奥平真砂子さんや、DPI日本会議の五位渕真美さん、自立生活センター・神戸Beすけっとの藤原久美子さん、福田暁子さんといった様々な日本の女性障がい者リーダーとお会いし、日本や世界における女性障がい者の課題についてお話する機会がありました。こうした経験により、私は一般的な女性の権利、特に女性障がい者の運動に関する自分の理解を広げることができました。ダスキンファミリーに、このような素晴らしい機会を与えて下さったことに対してお礼を言いたいと思います。