自己紹介および活動報告
ダスキン・太平洋アジア障害者リーダーシップ研修プログラム
20期卒業生蘇楠より
名前:蘇 楠 (ソ・ナン)
国・地域:台湾
私は台湾・台北出身の蘇 楠(ソ・ナン)です。先天性の脳性麻痺を持っており、車いすユーザーです。2019年に「ダスキン・太平洋アジア障害者リーダーシッププログラム」(ダスキンプログラム)を修了し、現在は台湾の明志科技大学で特別支援教育コーディネーターとして働いています。また、台北市新活力協会(CIL)と台湾障害者権利促進会(DPO)の理事として、障害者の権利擁護活動にも参加しています。登録済みのNCDAキャリアカウンセラーとして、余暇の時間にキャリアカウンセリングを行っています。また、忙しい生活の中で、社会人大学院生として国立台湾師範大学に在籍し修士号(M.Ed.)を取得するため師範大のリハビリテーション・カウンセリング大学院プログラムに通っております。
私は障害者でありながら、支援活動に携わる立場であるため、「多様性・包括性・公正性(DEI)」と「障がい者の権利平等」は私にとって他人ごとではありません。それは私の日々の生活の一部です。過去6年間、私は現在勤務している大学の支援室で、障害を持つ学生たちをサポートするために毎日3時間の通勤をしてきました。私の現在の職場では、主に精神障害や学習障害、自閉症などの目に見えない障害を持つ特別支援教育のニーズのある学生さんが多くいます。キャンパス内でのDEIの価値創造のために、私自身の障害者経験と特別支援教育の専門知識を活用させ、障壁を機会に変えるという多くの課題と機会があります。大学の特別支援教育コーディネーターとして、特別支援教育のニーズ・アセスメントを行い、学生たちの内面的な特性とニーズに共感し、専門チームやキャンパスの教員と連携してISP(個別のサポートプログラム)やITP(個別の移行プログラム)を実施することで、障害を持つ学生たちを支援してきました。
私は大学時代からDPO(障害者団体)や様々な障害に関連する学会・組織に携わっており、現在も地元のCIL(台北市新活力協会)およびDPO(台湾障害者権利促進会)の理事として、団体の仲間と共に地域においてピアサポーターを提供し、海外の障害者関連情報を訳して地域の意識を高め、障害のある人々や若者にエンパワーし、SNSを通じて障害者の権利を訴え、さらに台湾、日本など国々の障害者団体の間で国際交流活動を組織しています。また、私もほかの地元NPO団体とも協力し、包括的な金融サービスを実現するための覆面調査員活動や、車いすのままで体験できるラフティングなど、様々な活動でアドボカシーを楽しんでいます。
今年2024年には、APCD(アジア太平洋障害者センター)が主催するDETオンラインコースを受講しています。これからも得た知識とスキルを活かして、障害を持つ個人に対して平等な機会を促進し、積極的な変化をもたらすために重要な役割を果たしたいと思っています
自分のキャリアを発展させ、さらなる援助職分野や障害者のための権利擁護活動に貢献するために、私は社会人院生として大学院に通い、働きながらも様々な研修を受け続けています。2021年からは、職業指導、就労支援相談、職業リハビリテーションなどの分野での国家資格を取得し、そして2022年に障害者のための職業リハビリテーションに関する専門知識を高めるため、国立台湾師範大学の復健諮商及高齡福祉研究所(リハビリテーション・カウンセリング修士課程プログラム)に入学しました。2023年には、NCDAキャリアカウンセラーの専門資格も相次いで取得し、障害の有無にかかわらず、キャリアカウンセリングやキャリア関連サービスを行うことができるようになりました。また、台湾現地の様々な教育機関や社会福祉団体で、特別支援教育、キャリアカウンセリング、CRPD、障害者インクルージョンなど、障害関連のゲスト講師やコンサルタントを務めています。
私は、日本でのダスキン研修で受けたエンパワーメントのおかげで、台湾での支援専門職、DPO(障害者団体)の役員、そして障害分野の講師やコンサルタントとして、これまで6年間、活動してきました。これから、自分自身の障害体験と様々な職業の専門知識を組み合わせ、当事者を中心にする支援を提供し、エンパワーメントと多様性・包括性・公正(DEI)の価値を具現化して様々な支援・サポートと権利擁護活動を行いたいと期待しています。