メインストリーム協会パキスタン訪問報告 2014年1月14日~19日
メインストリーム協会は日本の障害当事者団体の牽引する存在で、ヨーロッパやアジア地域の障害者リーダー育成支援の長い歴史があります。
また、障害問題についての専門的なアプローチにより、クロスディスアビリティを推進する存在でもあります。更に、彼らの行っている重度障害者のための介助者制度は、まさに特筆すべき例であり、私たちにとって学びの泉となっています。
メインストリーム協会はマイルストーンと長きに渡り密接な関係にあり、マイルストーンが実施する、自立生活のための障害者運動のシナリオや活動のリソースを共有するため、毎年のようにパキスタンを訪問しています。佐藤氏をはじめ、沖田氏、桐間氏、柳瀬氏、山崎氏、原内氏、山口氏の7人の障害者リーダー代表団が、今回マイルストーンを訪問しました。
マイルストーン協会は、パキスタンで最大規模の最も活動的な障害者団体で、障害者のために活動をしてきた21年の歴史があります。特に重度障害者のために、自立生活の理念を広めてきた実績を謳歌しています。マイルストーンの取り組みは、社会に積極的な変化をもたらした光となり、パキスタンにおいて革新をもたらすリーダーを生み出し続けています。このようなミッションとゴールを達成するために、メインストリーム協会による偉大な貢献と惜しみない支援は否定できません。
マイルストーン協会が、ラホールの空港でメインストリーム協会をお出迎えしたのは1月14日です。
代表団がマイルストーンのオフィスを訪れたのは15日、障害問題についてのディスカッションが行われ、インクルーシブで権利主体の社会を創り出すために引き続き尽力していくことが確認されました。マイルストーンはパキスタンにおける障害者の状況について報告するプレゼンテーションを行いました。
メインストリーム代表団は、建設中の新しいオフィスへ、念願の訪問を果たし、近日中に完成することを喜びました。
メインストリーム協会は、マイルストーンが最高の状態で障害者に対するサービスを行うことができる、自前のオフィスを持つに至った尽力を賞賛し、2月には新しいオフィスへ移転し、更なる情熱を持って業務に当たれることにも言及しました。
Akhuwat は、貧困層に対して無利子のマイクロファイナンスを提供することで、彼らの生活水準の向上を目指すことを目的とし、2001年に設立された団体です。社会正義と友愛の原則を掲げ、Akhuwat は、社会における相互支援に基づいたシステムを築くことで貧困緩和につなげようとしています。AkhuwatはQarz-e-Hassan氏の教えに従いマイクロファイナンスの事業を推めてきました。Akhuwat それらの貸付を無利子とし、宗教的な地域において、ボランティアの精神で実施してきました。Akhuwat の任務は経済的支援を越えて広がっています。貧困層を導き、支援し、エンパワーするため、最大限の努力をしているのです。
メインストリーム協会とマイルストーンはAkhuwat の代表であるDr. Amjad Saqib に会い、相互パートナーシップ及び支援地域についてのディスカッションが行われました。ラホールの100名の障害者に対して自立生活サービスを提供するプロジェクトが、すぐに実施されることが決まりました。また、それらは将来パキスタン全土に広まる予定で、マイルストーンとメインストリーム協会は、プロジェクトのためにその自立生活についての専門知識をAkhuwatと共有しました。
ダスキン7期生のシャムサさんが代表を務めるSaffiya自立生活センターが、彼女の出身地であるSialkotで設立されました。彼女は視覚障害のある女性ですが、”ビジョン”とコミットメントを持ち続け、重度障害者のために従事しています。マイルストーンはこのようなDPOを支援し続けてきました。
メインストリーム協会とマイルストーンはSialkot の商工会議所で開催されたセミナーに出席し、Saffiya自立生活センターが、彼らに続く地域のためのロールモデルとなるよう激励しました。
マイルストーンは1日間の国際研修プログラムを実施しました。メインストリーム協会の専門家が、その様々な障害に関する専門技術を共有しました。最初のセッションでは、障害者のエンパワーメントについて、そしてそれ以上に重度障害者の介助サービスの重要性について講義がされました。日本政府は介助者への支払いのシステムがありますが、パキスタン政府にもこのシステムを取り入れるよう働きかけなければいけません。障害者が社会において平等に、尊敬され貢献する存在として扱われることは普遍的な権利です。
Dr. Shahnawaz Munami, Community Based Inclusive Development (CBID) Network Pakistan のナショナルコーディネーターがゲストとして招かれ、パキスタン政府は日本のように、介助者制度を作らなければならないと述べ、このシステムをパキスタンへ導入するための、マイルストンの取り組みに感謝の意を示しました。
Asim Zafar氏は、CBIDネットワークパキスタンの事務局コーディネーター兼Saaya Association の代表を務めています。彼もスピーチを行い、その存在感を示しました。彼は、マイルストーンは彼にとって母親のような存在で、メインストリーム協会は、数年前に日本で行われた研修において、障害者に対すれば良いかを教えてくれた、教師のような存在であると述べました。Saaya Associationでは介助者制度を導入し、現在は12名の重度障害者がイスラマバードでサービスを受けています。
メインストリーム協会はこの日、20名の男女の介助者に対して、研修を実施しました。
この多忙を極めた日の終わりには、マイルストーンのスタッフが腕によりをかけたオリエンタル料理が振舞われ、音楽が演奏され、ゲストをもてなしました。
シシケバブ、ライタ、ティッカボティなどが振舞われました。料理は大変おいしく、料理を作ったダスキン5期生のアクマルさんとSohaib さんはゲストを満足させました。音楽は夜を彩り、皆、とても楽しい時間を過ごしました。
知的障害者の問題やニーズについてのセミナーが1月18日にFountain Houseで開催されました。
セミナーは、マイルストーン、Fountain House、CBIDネットワークパキスタン、was addressed by Dr Muhammad Amjad Saqib, (Akhuwat代表), Dr Maryam Mallick, (WHO障害アドバイザー)Dr Shahnawaz Munami(CBID Network Pakistanナショナルコーディネーター)。
セミナーは、知的障害者の自立生活について、親、教師、社会を関心を持たせることに重点をおきました。メインストリーム協会からの代表団もセミナーに参加し、彼らの経験を共有しました。
スピーカーたちは、障害者が直面している問題や課題は世界中で共通であり、日本やアメリカなど、障害者が完全なる尊厳と平等のもとに自立生活を謳歌している国々と同様の法律やシステムが構築されなければならないと述べました。それらの国々では、障害者は社会の一員として平等に受け入れられ、扱われており、“私たちは、全ての人のためのインクルーシブ開発を創り出すために、差別を止めなければならない”とも述べられました。
Dr.Maryam Mallick, WHO障害アドバイザーは、マイルストーンとCBID ネットワークのセミナー開催のための尽力に謝辞を述べ、更にメインストリーム協会の役割は 非常に価値のあるもので、メインストリームのリーダー達は偉大な学びの泉であると述べ、更に、彼女はWHOのパキスタンにおける障害運動の支援に従事し、私たちは全ての人のためのインクルーシブ・バリアフリー・権利ベースの社会の実現向けて進んでいくと結びました。
代表団はその日の午後に、パキスタンとインドの国境であるWAGHAボーダーを訪問し、旗の交換式を見学しました。
ラホールの有名な飲食街で伝統的なディナーとなりました。ディナーの際に様々な障害の問題についても議論がなされ、メインストリーム協会のパキスタン訪問の労をねぎらいました。
5日間の訪問を終え、日本への帰国となりました。今後も全ての人の社会の実現に向けて尽力することを誓い、見送りました。
メインストリーム協会の皆様、ありがとう!