“パキスタンにおける障害を含んだ持続可能な開発目標”~国際障害者の日~が、2014年12月1日から3日にかけてラホールで開催されました。
主催は、第3期生のシャフィクさんが代表を務める、Milestone Society for the Special Personsで、共催として、パンジャブ州政府、カイバル・パクトゥンクワ州政府、CBMやHandicap Internationalなどの国際NGO、パキスタンの当事者団体、そして15期生のオマーさんが代表を務めるHeeraなどが協力しました。
障害当事者を含む、200名を超える障害者及び代表団が全国中から参加しました。
会議の最後には、障害者は他者と同じように平等な権利と文化的かつ尊厳ある生活を得ること、そして権利ベース・バリアフリー・インクルーシブな社会を創るために前進しなければならないことを、合意しました。
会議の様子
開会式ではCBIDネットワーク設立の背景、インクルーシブ開発のコンセプトなどが説明されました。
その他、当事者団体の代表や、カイバル・パクトゥンクワ州職員らも、それぞれ挨拶と、彼らの活動や社会福祉サービスについて説明しました。
シャフィクさんも歓迎の挨拶を述べました。そこで、障害当事者とその両親や家族も含めると、全人口の50%になると言ったそうです。
上の写真はシャフィクさん。
下の写真は来賓に対して記念品が贈呈された様子です。
中央はJICA専門家の池田直人さんですね。
一つ目のセッションのタイトルは、「Disability Inclusive Disaster Risk Reduction and Emergency Response」(障害を含んだ災害リスク削減と緊急対応)です。例えば災害時リスク削減に障害者を含むことや、障害者の司法における権利、障害者のための憲法改正などについて、それぞれの分野における第一人者によるスピーチがされました。
オマーさんはこれらのセッションのまとめのスピーチを任されたそうです。
二つ目のセッションのタイトルは、「CBID Experience in Japan and Pakistan」(日本及びパキスタンのCBIDの経験)です。 このセッションで、12期生のムザンミールさんが、日本におけるCBIDの事例や、戦後の障害者運動についてのビデオを紹介したりしました。
次のセッションは「Role of DPOs through Independent Living Strategy」(自立生活戦略を通じた当事者団体の役割)です。
このセッションでは第3期生のシャフィクさんが発表をしました。自立生活の理念、それがパキスタンにもたらしたインパクトを説明しました。シャフィクさんはユニークな方法でセッションを進めました。シャフィクさんの他に、当事者団体代表を務める数人のパネリストがいましたが、それぞれ自己紹介と団体紹介はせずに、お互いが他のパネリストの紹介をし合う、という方法です。参加者は、パネリスト達がよくお互いのことを分かり合っているということに驚いたそうです。
そしてミュージックナイトのセッションもありました。
障害のあるシンガーが演奏をしました。オマーさんももちろん歌いました。歓迎のディナーが振舞われたそうです。
次のセッションタイトルは、「International Commitment and Reponses from Government of Pakistan」(国際的な取り組みとパキスタン政府の対応)です。CBIDパンジャブ州副コーディネーターと当事者団体代表が、障害者の問題、生活の基本的な設備が供給されていないこと、パキスタン政府が障害者のための対策を怠っていること、障害者は様々な場面で差別と向き合わなければならないことなどを議論しました。
ここではオマーさんが、パキスタン障害者法や、障害者のニーズが他の人々と平等に提供されなければならないということについて説明しました。また、障害者権利条約に対するパキスタンのコミットメントについて、パキスタンのみならず、他国も同様に現在は実施に向けた準備段階にあり、障害者自身が声をあげることで私たちの権利が保障されると伝えました。
他にも女性障害者の問題や、人権問題についての議論がなされました。
次のセッションは「Mainstreaming Disability and Inclusive Education」(障害のメインストリーム化とインクルーシブ教育)です。
パキスタンCBID Networkのナショナルコーディネーターはそのスピーチの中で、マイルストーン協会のことをたたえてくれたそうです。
シャフィクさんは、インクルーシブ教育について講義し、障害者の問題について議論しました。数年前からインクルーシブ教育についてのアイデアを浮かべ始めていたそうです。そして今議論を投げかけたというわけです。
さて、次のセッションは「Role of Women with Disability in Inclusive Development」 (インクルーシブ開発における女性障害者の役割)です。
全国女性障害者フォーラムのナショナルコーディネーターがセッションの議長を務め、女性障害者の代表たちが、彼女たちの問題について議論をしました。
次は、「Role of Media in Inclusive Development」(インクルーシブ開発におけるメディアの役割)です。
The News Internationalからのスピーカーが、メディアの役割について述べました。メディアは未だ障害者に対して哀れみのアプローチをしており、当事者団体がメディアを啓蒙する責任があると伝えました。
また、マイルストーン協会の活動家の1人、Sohaib Ahmadさんは、障害者はメディアにおいては哀れみや恐れなどの報道のソースであり、チャリティの対象とされているし、これは間違った見方であり、障害者は尊敬され、肯定的に捉えられ、社会に貢献する存在であるという報道をされるべきだとも述べました。そしてメディアに対して、障害者の番組はそのように報じられるよう提案しました。
もう1人、マイルストーン協会の活動家の、Ali Hamzaさんは、彼の成功事例を発表し、重度障害者であるにも関わらず、修士号を取得したこと、学生を指導していること、またマイルストーンではインクルーシブ教育の活動家として、他の障害者が自立するため、そして社会の一員として貢献する存在となるために動機付けをしていることなどを説明しました。
閉会式はシャフィクさんの司会により執り行われました。
下の写真は会場のAmbassador Hotel からLahore Press Clubまで行われた啓蒙ウォークの様子です。
会議は障害者、特に女性障害者の権利のメインストリーム化を宣言して終了しました。