Duskin Leadership Training in Japan

卒業生インタビュー

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アルティ・ウムロトゥカル(第11期生)

ろう者によるろう者のためのテレビ会社を作りたい!

アルティ・ウムロトゥカル(第11期生)

今回は、第11期生のアルティさんにインタビューを行いました。アルティさんは、ろう青年部や女性部の活動、そしてろう者による映像作りを中心に日本で研修を行いました。帰国後は、マスコミ関係で仕事をする傍ら、ムンバイで様々な活動をしています。日本ですごした10カ月を振り返りながら、現在の活動、そして今後の夢を聞きました。

プロフィール

インド・ムンバイ出身。
先天性ろう者として生まれる。小~高校は、ろう学校に通い、ダンスや絵画などに才能を発揮した。その後、カレッジで商学を学ぶが、情報保障が得られず、苦学を迫られた。カレッジ卒業後は、仲間のろう者と共に、ITや英語を学んだ。自身のリーダーシップを高めるために、本研修に応募した。

Q:研修期間中に印象に残っていることは何ですか?

A:印象に残っているのは、日本人の親切さです。
研修期間中、例えば、研修先で学んだことや楽しかったことなど、他の研修生とよく話をしました。また、研修先では、日本とインドの文化の違いについて話し合いました。

Q:現在の活動は何ですか?

A:Bombay Foundation of the Deaf Woman の役員として、ろう女性の活動を支援しています。青年部ではなく、ろう女性の団体に加入したのは、よりサポートが必要な団体だと感じたからです。

また、ろう者のためのテレビ番組を作成する団体を設立するために活動をしています。その団体は(仮称ですが)、India Deaf Today と名付けました。

Bombay Foundation of the Deaf Womanの活動風景 Bombay Foundation of the Deaf Womanの活動風景

Bombay Foundation of the Deaf Womanの活動風景。
アルティさんは企画作りにも参画。写真のような楽しい企画は、会員間の親睦を深めるのに一役買っている。

Q:日本で学んだことが現在の活動にどう活かされていますか?

A:学んだことが直接的に役に立っているのが、青森県ろうあ協会の研修で学んだ映像作りです。現在、India Deaf Today設立に向けて、様々な映像を撮りためていますが、青森で教わった手法を用いています。但し、機材を買う資金がないので、デジカメで撮影しています(笑)。

また、静岡県聴覚障害者協会で学んだ新聞の作り方も、情報を伝えるという意味において現在の活動に活かされています。

「静岡県ろうあ青年のつどい」の活動風景 「静岡県ろうあ青年のつどい」の風景2

研修中に撮影した写真。左は、「静岡県ろうあ青年のつどい」に参加した時のもの。
右は、日本ASL協会で学んだプレゼンテーション技術を使って発表を行っている様子。

Q:日本で過ごした10ヶ月間はあなたにとってどんなものでしたか?

A:日本に行くまでは、将来の目標がはっきりと定まっていませんでした。しかし、日本で学ぶことにより、ろう者のためのテレビ番組を作りたいという目標を見つけることができました。

また、誰に対しても、礼儀正しく、親切に接する日本人の態度には感銘を受けました。これはインドでは学べないことです(笑)。今でも、日本人のように他者に敬意を払うことを心がけています。

Q:帰国後、どんなことから活動を始めましたか?また、困難なことがありましたか?

A:私は所属団体がありませんでしたから、まずは仲間作りから始めました。

帰国直後も今もそうですが、困難なのは活動資金を得ることです。また、私たちが無料で借りられる会議室がムンバイにはないので、イベントやミーティングを開催する時は、場所探しが大変です。

India Deaf Today用のインタビュー撮影風景 India Deaf Today用のインタビュー撮影風景2

India Deaf Today用のインタビュー撮影風景。
今はデジカメで撮影しているが、団体が設立されたら大きなカメラを購入したい。

Q:今後の目標や夢を教えてください。

A:ろう者のための番組制作会社‘India Deaf Today’を設立することです。これが実現すれば、ろう者スタッフを雇用することができるので、ろう者の就労支援にも繋がります。インドでは、定職に就けないろう者が多く、職があったとしても、給与が安いことが多いのです。

インタビュー風景

日時:2012年2月20日(月)

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