やろうと思えばできる!
今回のインタビューは、ベトナムのハノイ在住のハさん。
ハさんは研修後、ドン・ダー区盲人協会会長に選出され、持ち前の大らかな人柄と積極性を活かしながら、たくさんの人とのネットワークを築き、精力的に活動を行っています。今はどのような活動を行っているか、日本での生活はハさんにとってどのようなものだったか、色々お聞きしました。
A: 盲人協会から情報をもらいました。2回応募して、2回目で合格しました。私がハノイ第一号だったんですよ。私の後にフォンさん、アンさん、リンさんが続きました。
A: 来日前は、テレビやラジオで日本のことをみて、日本はきっと物価が高いのだろうな、でも人は皆良さそう、というイメージを持っていました。実際に来日してみて、物価はイメージよりももっと高かったです(笑)。そして日本人は勉強にも仕事にもとても真面目だと思いました。また、どこに行ってもとてもきれい(清潔)でした。
初めは日本語の勉強だけで、とても寂しかったです。来日前にちゃんと勉強していかなかったので、点字もよくわからなくて。友達もあまりいないし、寂しくて毎日部屋で勉強ばかりしていたら、日本語が上手になりました(笑)。日本語研修が終わってから、集団研修が始まって、忙しかったけれど、とても楽しかったです。その後個別研修になって、一人で研修に行くのでまた寂しく感じたけれど、研修先で新しく色々な人と出会うことができて、楽しくなりました。それ以外では、すべてのことを自分で決めなければならなくて、サバイバルでしたが、それが私を成長させてくれました。
A: スキー研修です。ベトナムでは雪は降らないので、スキーのイメージすらできなかった。本当に楽しかった!あとは、マラソン。車いすの人や晴眼者の人達と一緒に走ったのは初めてで、印象に残っています。
A: ドン・ダー区盲人協会の会長をしています。
事務所の前で。スタッフは4名で、うち1名はこの日はお休みでした。左が副会長、真中がハさん、右が経理担当スタッフ。
A: 活動は、音楽クラブや英語クラブを開講していて、またマッサージ・パーラーを運営しています。
音楽クラブ。この日は特別に旧正月用の音楽を練習。この楽器は「月」という意味の名前なのだとか。
実際の演奏はこちら!→https://youtu.be/Ez8wKELMB7M
英語クラブ。点字テキストで英語を読む練習です。
英語クラブの動画はこちら!→https://youtu.be/8zZHBHyHZMw
マッサージ・パーラーです。スタッフ同士で練習中でした。
(このインタビュー中、電話が入り…)
今、クリスマスなので白杖をドン・ダー区盲人協会の会員にプレゼントしたいと思っていて、お願いしていたドナーさんから今電話があって、40本OKが出ました!この方は、2年前に息子が病気になって入院した時に知り合いになった製薬会社の会長さんなんです。この事務所の1階のエアコン2台も寄贈してくれたんですよ。白杖は、私が米国の会社に発注して、このドナーさんの会社が支払いをしてくれることになっています。米国の白杖は安価なのに、品質はとても良いですからね。
息子さんの病院先でドナーを見つけてしまうなんて、さすがハさんです!
A: 研修で私は「おとな」になりました。本当の意味で大人になったんです。なんでも自分で決めなければいけなくて、何でも自分で決められるようになって、自分に自信がついて、何でもできる、って思うようになりました。自分でできないこともあるけれど、他の人にお願いしてできればそれで良い、ということも日本に行って初めてわかりました。また、ベトナム以外の外国のことも学んで勉強になりました。
A: 「マッサージ・パーラー」を設立しました。それから、スカイプで他のベトナムの視覚障害者に日本語を教えて、ダスキン研修のことも皆に広めました。
A: 政府からスタッフの人件費は支給されているけれど、活動費は出ません。色々な人に助成をお願いしなければならないのが大変です。マッサージ・パーラーを設立した際には、エアコンなどの機材を設備するのに色々な会社や知り合いに電話をしたり会いに行ったりして、多くの人にお願いをしました。
A: うーん、難しいな~。夢だけど、大人になってから視覚障害を持った人が行ける点字クラブというのがないので、そういう点字クラブをしたいです。
A: 難しいと思うこともあると思うけれど、やろうと思えばできるようになります!ベトナムでの活動は大変なこともあるけれど、皆で一緒に取り組めばきっとできます!
ハさんから皆さんへの一言は、動画でこちら!→https://youtu.be/lrEa6FyJWzo
日時:2016年12月23日