Duskin Leadership Training in Japan

最終レポート

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モンザング・ディン・ウェンのファイナルレポート

日本の文化

私は日本の文化が大好きです。例えば、いすに座っていると知らない人がお茶を入れてくれます。また、ドアを開けて建物に入るときは後ろの人のためにドアを押さえてくれます。日本に来て間もない頃はとても不思議な感じがしました。しかし、同じように行動してみると、お互いがうれしくなるとわかりました。日本の文化は礼儀正しいだけでなく、とても優しいものだと思いました。

日本語と日本手話

語学研修を行った3ヶ月はとても短く感じられました。日本語がなかなか上達せず辛いこともありましたが、頑張った甲斐があってひらがなで文章が書けるようになりました。一番うれしかったのは、友達とメールのやり取りができるようになったことです。メールのやり取りをしていると、自然に日本語が上手になるし、何よりもとても楽しいです。日本語メールのおかげで友達もたくさんできました。

手話も最初はなかなか通じませんでした。手話の表現が分からないときは、ろう者の友達に質問して説明をしてもらいました。今では日本手話で自由に話ができるようになりました。

スキー

初めて見た雪は、持つと少し冷たいけどとてもきれいでした。私は雪が大好きになりました。一日目は前が見えないくらい雪が降りましたが、二日目はとてもいいお天気になりました。たくさん転んで体が痛くなったことも、楽しい思い出の一つになりました。

ホームステイ

お正月には小山の岩淵さんの家と宇都宮の高橋さんの家でホームステイをしました。ろう者のいる家庭を訪ねるのは、日本に来て初めてでした。ベトナムでは耳の聞こえる家族は手話ができないことが多いけど、日本ではみんな手話ができるのでびっくりしました。

元日には初詣に行きました。神社でお賽銭をあげたり大きな鈴を鳴らしたりしました。お参りの後、岩淵さんはお守りを買ってくれました。岩淵さんは「これを持っていると1年間元気でいられるよ。」と教えてくれました。私はそのお守りを今でも大切に持っています。高橋さんは着物を着せてくれました。着物はとてもきれいなので大好きだけど、窮屈です。帯が苦しくて料理があまり食べられませんでした。

お正月を岩淵さんと高橋さんの家で過ごせて、とても楽しかったです。どうもありがとうございました。

滋賀県立聴覚障害者センター

滋賀は自然が多く、きれいなところでした。センターの職員は、手話通訳派遣、要約筆記派遣などそれぞれが担当を持っていて大変だと思いました。ろう者の職員は3人いますが、健聴者と手話でコミュニケーションを取りながら仕事をしていました。とてもうらやましいと感じました。

メインストリーム協会

メインストリーム協会で色んな障害者と会いました。重度障害者もいっぱいいました。ろう者のスタッフは一人だけで、他のスタッフはあまり手話ができなかったので少し不安でした。しかし、みんなは暖かく接してくれましたし、筆談や身振りを交えることでコミュニケーションをとることができました。短い研修だったけど、スタッフのみなさんと仲良くなれてうれしかったです。ここではいすに座って講義を受けることは少なく、色々なところに行って実際に経験する研修が多かったです。例えば、介助の経験をしました。実際やってみるととても難しかったです。

手話通訳者養成の研修(滋賀県立聴覚障害者センター、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院・手話通訳学科、世田谷福祉専門学校手話通訳学科)

指導方法はそれぞれ特徴がありました。滋賀県は日本語の文章に対応させながら手話を指導していました。とてもいい方法だと思いましたが、少し疑問も残りました。生徒は日本語の文章を読んでその手話も理解できたつもりになります。でも、実際、手話表現をしてみるとなかなかうまくできないのです。国リハでは手話を教えるのは全てろう者の先生です。そして、日本語の例文ではなく、絵教材を使って手話を教えます。この方法は定着に時間がかかるかもしれないけど手話を学ぶのに適していると思います。手話通訳のトレーニング方法も興味深く、とても参考になりました。国リハで学んだ方法をベトナムで実践してみたいです。もっと知りたいことがあるので、また研修に行きたいです。

ベトナム手話の講習会

手話指導を見学するだけでなく、実際に私が講師となってろう者や健聴者にベトナム手話を教えました。まず、全日本ろうあ連盟で絵教材などを作って講習会の準備をしました。そして模擬授業を行いました。準備とリハーサルを十分に行ったおかげで、自信を持って本番に臨むことができました。受講者はベトナムの手話が少しできるようになりました。皆さんからとてもよかったと言われ、うれしかったです。

日本のろう者を見て感じたこと

日本は情報保障システムが充実しています。まだ十分ではないと言われていますが、ベトナムが見習うべきものをたくさん見つけることができました。例えば、字幕放送、駅の電光掲示板や屋内信号装置、そして携帯電話を利用したコミュニケーションなど様々な工夫があります。このようなシステムのおかげでろう者は情報を得ることが容易です。私も実際に使ってみることで、その便利さや大切さが良く分かるようになりました。また、日本では様々な場所に手話通訳が設置されています。ですからろう者は安心して生活ができますし、積極的に活動することもできます。日本に来て手話通訳の重要性をより強く感じることができました。

ベトナムでも情報保障システムがきちんと整えば、ろう者はそこから様々な情報を得て、活動を発展させていくことができるでしょう。これらの情報は母国の仲間に伝え、改善を求めて一緒に頑張りたいです。

10人の仲間達

来日したばかりの頃は、みんなとコミュニケーションを取るのが難しかったです。でも、お互いが身振り手振りを使うことで少しずつ話ができるようになりました。そして、手話を覚えてくれる研修生も出てきて、もっと色々な話ができるようになりました。第4期研修生のみんなと仲良くなれたこと、互いに助け合うことができてよかったです。この絆がずっと続くように、これからも連絡を取り合っていきたいです。

将来の夢

私の夢は手話通訳者を養成することですが、それ以外にも様々な研修を受けることができてよかったです。なぜなら、それらの研修を通じて手話講師として活動していく時のアイディアを得ることができたからです。視野を広く持ち、他の活動との連携なども考えることが大切だと分かりました。この研修を受けたことで、私は夢の実現に向けて大きな一歩を踏み出せたと感じています。今はまだ学生ですが、卒業後は夢をかなえて日本で学んだことを活かしていきたいです。

最後に

たくさんの人々がサポートしてくれたおかげで充実した毎日を過ごすことができました。愛の輪運動基金の皆さん、研修先のみなさん、JSRPDの皆さん、本当にありがとうございました。

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