Duskin Leadership Training in Japan

最終レポート

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サリン・チャンのファイナルレポート

日本での生活

私の人生の中で日本に来るということは夢のようなことでしたが、その夢が本当に実現しました。多くのこと、特に障害者の生活について学ぼうと決意して日本に来ました。最初の3ヶ月間は日本語研修でした。実際、3ヶ月という短い期間で日本語を学ぶのは難しいことですが、一生懸命努力すれば、なんとか人とコミュニケーションがとれるようになります。日本語にはひらがな、カタカナ、漢字がありますが、私はひらがなとカタカナを勉強しました。ひらがなは簡単に読めるのですが、カタカナは少し難しいです。決して平坦な道ではありませんでしたが、一生懸命努力をしたので、3ヶ月間の研修が終わる頃には、日本人と会話をしたりコミュニケーションがとれるようになりました。初めの頃は、日本語の難しさに気が遠くなり、日本語で話し掛けられても何を言われているのか、全然わかりませんでした。日本では英語を話す人があまりいないので、それが「日本語を勉強しなければ!」という動機づけになりました。日本人と仲良くなるためには、英語を話さない友人を見つけることが一番ですし、そうすれば必然的に日本語を話さなくてはなりません。ついに3ヶ月の研修が終わり、なんとか日本語で話すことができるようになり、会話の内容も理解できるようになってきました。たとえ全部を理解することができなくても、心と心のコミュニケーションを通じて自分の気持ちを表すことができるようになりました。

スキー研修

たくさんの雪に囲まれた湯沢でのスキー研修も夢のような経験でした。短い時間でしたが、良い経験をしました。スキーは本当に楽しく、また湯沢はとても良いところでした。朝目覚めると、木の上や頂上に雪を積もらせた真っ白な山が目に飛び込んできて、言葉では言い表せないほどきれいな景色でした。スキーの先生がチェアスキーの操作方法を教えてくれてなんとか自分で滑ることができるようになりましたが、生まれて初めてのスキー体験だったので難しかったです。国へ帰ったら友達とこの経験を共有して、どんなにきれいな所だったかということを伝えたいと思います。美しい雪の中でのスキー研修は本当に素晴らしい経験でした。

ホームステイ

年末年始にかけて1週間ほど日本の家庭にホームステイをし、その間日本の文化や家族についてたくさんのことを学びました。カンボジアとは違う習慣もありますが、日本のお正月の飾り付けを見るのはとても面白いものでした。ホストファミリーと一緒に色々なことをしましたが、日本の文化や日本人のライフスタイルについてもたくさんのことを教えてくれました。大晦日にはお父さんやお母さんと一緒にそばを食べました。そばはお正月の伝統的な日本の食べ物のひとつです。一緒に食べながらカンボジアや日本のことについて話しました。そばはとてもおいしかったです。毎朝7時に起きて、お父さんと一緒に部屋の掃除をし、お母さんが作ってくれる朝食を食べ、日本の生活についてたくさんのことを話しました。大阪市内の観光にも行きました。

私のお父さんとお母さんはとても親切でやさしいです。私は二人のことが本当の両親のように大好きです。お父さんとお母さんは私にたくさんのことを教えてくれました。またいつか会いたいです。カンボジアの家族にも日本の家族のこと話したいと思います。

沖縄、名古屋での個別研修

2003年1月から5月までは個別研修でした。最初の個別研修は美しい南の島、沖縄でした。沖縄で2ヶ月間、その後名古屋で約2ヶ月間にわたりNGO運営や自立生活について学びましたが、それぞれの地域での障害者運動を学ぶことはとても興味深いものでした。

私は障害者の活動や運動を学ぶためたくさんの場所を訪問しました。日本では多くの障害者が自立して生活していて、自分の生活を楽しみ、また人生について多くのことを考えています。

私は彼らから、地域の中でどうやって生活の質を向上させながら暮らしていくか、ということを学びました。それぞれの自立生活センターでは様々な活動をしており、どれもが役立ちました。重度障害をもつ人の家を訪れたこともありました。私の国とは状況が違うので、一人で生活をすることについて質問もしました。ある日私は「一人で生活してどんな気持ちですか?もし何か問題が起こったらどうやって解決しますか?」と聞いてみました。

彼らは答えました。「私達は自立してとてもよかったと思います。いつでも自分のしたいことを自分で決めることができるからです。以前は家族の後ろに隠れていましが、今は自由があります。夜に自分のアパートで問題が起こったら、緊急ベルを押せばすぐに人が来てくれて、病院に連れていってくれます。日常生活では介助者が入浴や食事、ときには買い物や外出を手伝ってくれます。」

彼らは生活の質をどうやったら向上させることができるかいつも話し合い、国や地方自治体に自分たちの要求を提案しています。自立生活センターの活動では、作業所で作ったものを売って収入を得たり、花を植えて市役所が責任をもってその栽培をする、というものもあります。

それらの活動を学ぶことはとても興味深く、また日本の障害者たちは政府から援助をうけているということも知りました。政府からのサポートで彼らの生活は向上しますが、カンボジアでは状況が違います。

研修中、沖縄では鈴子さん、名古屋では木下さんや江戸さん、山田さん、そして自立生活センターで働くスタッフのみなさんとNGO運営や日本の社会福祉について勉強しました。また障害をもつ人々は、政府がつくった施設では本当は暮らしたくないのだということも分かりました。なぜ施設が嫌なのか、その理由を聞くと、このような答えが返ってきました。「もし私達が施設にいたら、地域で暮らすにはどうしたらいいのか一生わからないし、障害のない人や社会から遠ざかってしまう。私達は色々な人と接したいし、色々なものを見たいのです。だから、自分たちのニーズを政府に要求していきます。」

大分、群馬での個別研修

私は大分県の太陽の家で4日間を過ごしました。太陽の家では車いすの生産・修理に関することを学びました。初めに職員の方にごあいさつをしました。また様々な事業も見学しました。麻生さんや信治さんはとても親切で、カンボジアでの車いす製造協力についてたくさんのことを教えてくれました。上野さんや麻生さんと今後の計画についても話し合いました。将来協力して何ができるかということも話し合い、良い情報も得ることができました。群馬では、日本カンボジア交流協会の財津さんに大変お世話になりました。財津さんから事業協力について多くの経験を学び、また群馬県の職員の方々や国際交流協会の方々とお会いして、プロポーザルについて意見交換をしました。財津さんは私の帰国後の活動について親身になって考えてくださり、いい情報をたくさん得ることができました。研修のほか、日本の文化についても教えてくださいました。

福井での個別研修

福井県では、CBR(地域に根ざしたリリハビリテーション)について3週間研修をし、小林明子先生にお世話になりました。小林先生はとても親切にしてくださり、研修では日本とアジア太平洋地域、特にカンボジアのCBRはどのように違うかということについて多くのことを学びました。ここで学んだことの中から、カンボジアで出来ることは何かを考えて役立てたいと思います。日本では利用できることもカンボジアではできないことが多くあります。本当に多くのことを学び、将来どのようにネットワークを生かしていくかについて情報を得ました。これまでに日本でたくさんの友達ができたので、これからみなさんと協力していけたらと思います。福井の人々はとても親切で、私自身も大きく変わったと思います。

最後に、愛の輪運動基金の皆様、アジア太平洋の障害者にこのような機会を与えてくださり、本当にありがとうございました。私はこの研修事業に本当に感謝しています。

そして私達と親しく接し、研修について一緒に考えてくれたJSRPDのスタッフの皆さん、どうもありがとうございました!!!

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