私は去年の8月30日に日本にやってきました。初めて研修生たちと会ったとき、とても緊張しました。話すより話さない方がいいと思って、あまり話しませんでした。初めの頃、周りは、英語と日本語がごちゃまぜになってしまって、本当に混乱しました。でも時間が経つにつれて、最初の緊張感もなくなって、研修生たちと仲良くなりました。色んな不安や緊張がありましたが、日本での研修生活をすごく楽しみにしていました。そして、日本に来て電動車イスを使って、行きたい所へすぐ一人で行けるようになって自分の世界が広がりました。
最初の3ヶ月は、毎日一人で電車に乗って日本語学校に通いました。学校では会話、文法、聴解など沢山勉強しました。そして3ヶ月後、日本語研修が終わった後で私は日本語能力試験1級を受けました。合格できました。本当に先生たちに感謝しています。この3ヶ月間で、日本語の研修以外に、リラックスするため、私たちは水泳にも行きました。そして、稲治先生とリハ協のスタッフのおかげで、私は息継ぎができるようになりました。水泳は私にとって一番いい運動だから、できるようになって本当に嬉しいです。
日本で研修したことが沢山あります。その中で、自立生活センター、権利擁護、DAISYの3つの部分に分かれています。自立生活センターは簡単に言うと、障害者が地域で自分が望む生活を送れるように手伝う所です。そして、必ず障害者本人の意思に基づいて、したいことを助けます。だから、どんな重い障害があっても、自分の人権を保つことができます。そして自立生活センターの特徴は、障害の種別を問わず、障害者が障害者にサービスを提供する所です。まず、自立生活センターで学んだことは、日本の障害者福祉制度と歴史です。障害者はどうやって運動してきたのかも勉強しました。後は、介助サービスについても勉強しました。私も実際に介助者を使って初めて一人暮らしをしました。それ以外に、自立生活プログラム、ピア・カウンセリング、障害者をエンパワーすることについても研修しました。
もう一つ大切なことを学びました。それは差別禁止法と障害者権利条約です。障害者が自分の権利を自分で守ることは大事です。でも自分の権利を守る前にどんな権利があるかを知ることがとても大事です。そして法律を使って自分の権利を守ります。日本の障害者が政府と交渉しながら運動する様子を見て、とても貴重な経験になりました。
他に、DAISYの作り方も習いました、DAISYは視覚障害者に使いやすいだけでなく、他の障害を持っている人も使いやすい録音図書です。台湾に帰って皆に教えたいと思います。
研修以外に私も沢山の所へ遊びに行きました。大阪、名古屋、京都、熊本、新潟、広島、宮島など。一番、楽しかったのはスキーと車を運転することです。すごく難しい、危ないと思ったけど、体験することができて、夢のような感じで不思議だなと思いました。そして自分ができることはまだまだ沢山あるんだと思えるようになりました。そしてお正月の時に熊本でのホームステイも楽しかったです。
研修を重ねていく中で、私の考え方は変わりました。日本に来る前に考えた自立は、やはり、一人前になって、経済的な自立と人の力に頼らず、なんでも自分でやることが自立だと思っていました。しかし、日本に来て多くの障害者たちと出会って、その考えが変わったのです。介助者の力を借りて、自分が過ごしたい生活と人生を送れることも自立の一つだと、今は思います。そして「自己選択」、「自己決定」、「自己責任」が自立だと思います。障害を持っているから自分で決める権利、危険を冒す権利など様々な権利を奪われていることが沢山あって、我慢していて、本当の自分を失うことが沢山あると思います。だから、経済的な自立をする前に、「自己選択」、「自己決定」、「自己責任」の方が、ずっと大事だと思います。後、考え方が変わったのは、障害は、背が高い人や背が低い人がいるのと同じことで、体の一つの特徴だと思えるようになりました。
研修を通じて、自分のことも知るようになりました。そして日本に来て一番よかったのは、アジア各国の障害者と出会ったことです。みんな文化と背景は違うけど、障害者同士なので、みんなの悩みと困難が同じで、すごく心が通じるような感じがしました。自分の視野も広がりました。そして、自分がどんなにいい環境で生まれてきたか、やっと気づいて、台湾が好きになりました。
日本に来て様々な障害を持つ人と出会って、相手のことも思いやれるようになりました。例えば、日本に来た頃、いつも聴覚障害者のトマシが手話をしながら、私のところに歩いてくる様子を見て、すぐ逃げました。でも今はトマシと手話で会話できるようになりました。言語障害者と一緒にいる時も、落ち着いて、ゆっくりと相手の話を聞けるようになりました。障害の違いによって手伝う方法も覚えました。そして、自分のことも少し好きになりました。
台湾では、障害者に対して固定観念があります。例えば、障害者はかわいそうな人、頑張っている人。そして身体障害者は宝くじを売る人。知的障害者はクッキーを作る人。視覚障害者はマッサージをする人です。私の夢は、障害者が社会に平等に参加することができる環境を作ることです。そして、台湾も他のアジアの国の障害者に支援できるようになりたいです。台湾に帰って、日本で研修したことを生かして活動をして行きたいと思います。最初は一緒に活動できる仲間をさがして、ダスキンの研修事業や日本の自立生活センターの研修に派遣したいと思います。そしてホームページを作って日本で研修したことをみんなと共有したいと思います。日本で勉強したことを中国語に翻訳してみんなに伝えて、ワークショップ、講演会、勉強会を開きたいです。セミナーを開いて、日本の仲間を呼んで、台湾の障害者と交流してほしいです。最終的には、台湾の障害者を元気にする自立生活センターを作ることが私の夢です。
学んだことの中で一番大切なことは、楽しむことです。仕事や生活でも同じで、楽しくないと、本当に好きじゃないと、うまく、長く続けられないと思います。自分が送りたい人生を選んで、楽しく生活を送ることが大切です。そうしたら、どんな問題や困難があっても乗り越えることができます。
最後になりましたが、感謝している人は本当に数え切れないです。この研修事業に協力してくれた皆様に、心からお礼を言いたいと思います。皆さんの協力がなかったら、今の私はないと思います。本当にありがとうございました!