Duskin Leadership Training in Japan

最終レポート

プロフィールに戻る

サムニエン・タマボングのファイナルレポート

来日前の生活

私はラオスで、障害者への支援を行っている難民を助ける会というNGOで働いていました。ダスキンの研修についてはラオスに来ていた日本の車椅子の専門家の人から教えてもらい、非常に興味をもちました。5年の間希望を捨てずに応募し続け、5度目の応募で面接に受かったことを知らされました。日本に来る前には、家族の水田にある池で泳ぎを覚えました。

私の考え方、そして地元での差別

日本に来る前の私はほとんど障害や差別についての問題に意識が向いていませんでした。自立生活センターを作りたいとは思っていましたが、どうやったらいいのか分からず自信もありませんでしたが、日本で学んでからは自信もつき、ダスキンとともに、いろいろなことを親切に教えてくれた数々の友人に心から感謝しています。

日本語研修

私は日本語が一言もわからず、読み書きも話すこともできないほか、日本に来る前の一ヶ月は送別会で忙しく平仮名やカタカナの勉強もままなりませんでした。そんなわけで勉強しても身につかないのではないかと心配しました。

皮肉にも心配すればするほど勉強に身が入らないばかりか、日本語のことが心配なあまり最初のうちは生活までもがあまり楽しくないものになってしまいました。しかしそうしているうちに先生からいろいろとアドバイスを受け、2ヶ月くらいすると楽になってきました。

スキー研修

朝、新潟県の研修のため起きて移動すると、雪をまとった美しい山々が見えてきました。それまでスキーをすることを夢見てはいても実際になかなか想像はつきませんでしたが、やってみると楽しくて仕方ありませんでした。山の頂からバイスキーをすごいスピードで降りてくると、ときどき雪が口に入ってきたりしました。バイスキーは楽しく、リフトは怖かったですが、雪で遊ぶのは非常に楽しかったです。

個別研修

1. 自立応援センターYah!Doみやざき

私は最初の個別研修を1月の7日から21日まで、宮崎県で受講しました。永山さんおよびセンターのスタッフから自立生活センターについて教えていただきました。私の日本語はこのときもまだまだ拙かったのですが永山さんも他の言葉を話さないので、自立生活センターの活動や目的について教えてくださるのには実に辛抱が要ったと思います。短い期間に自立生活センターのことを紙面で理解するのはそれでも相当難しかったのですが、永山さんは誰かスタッフが相談に来るたびに自立生活センターの毎日の作業の様子を見学させてくださったほか、県庁での自立生活センターについての交渉の場にも同行させてくださいました。

自立応援センターYah! Do みやざきでは、初めて日本人で障害を持つ多くの人たちと友達になりました。そのなかの一人が岩切さんです。彼女からは障害者の毎日の生活について、なかでも自立して生活するということはどういうことか、自分で決断することとはどういうことか、などを教わりました。岩切さんは筋ジストロフィーが10歳のときから進行中で非常に重度の障害を負っているのですが、現在41歳で、大変精神力の強い女性です。電動車椅子を動かすにも指一本しか動かすことができないにもかかわらず、自分の家で自立して生活しています。彼女の家を訪問し、いろいろなことを語り合って楽しいときをすごしました。

Yah! Do みやざきでは、外山さんから自信のつけかたについて教わりました。外山さんは食後に大きなホテルに行ってそこにいる人に挨拶しに行こうといいます。そこにいた人たちはみな知らない人ばかりだったのですが挨拶しました。個別研修の最後の日に外山さんは私が初めての人たちに会うときにぜんぜん自信がないのを見てとって、実際私も当時は恥ずかしくて仕方なかったのですが、Yah! Doみやざきで自信をつけるトレーニングをしてから、やり方が楽しかったこともあって新しい人たちに会うことについては以前よりずっと気楽になりました。

また、Yah! Do みやざきのスタッフの人たちとは青島に観光に行きました。島の中央にきれいなお寺がありました。こんなきれいな海を見たのは生まれて初めてでした。

2. 太陽の家

太陽の家では、たとえ障害があっても元気に働けることを学びました。そこで働く障害者の人たちの作業を見学したあと、太陽の家の車椅子修理部の大分タキで働きました。私の担当した修理作業は主にスポークだったので、帰国してからもスポークの問題なら難なく修理できるくらいになりました。

3. 足立区大谷田就労支援センター

ここでは高橋さんと松本さんからホームページの作り方を教わりました。お二人とも障害がありますが、コンピュータに熟達し、教え方も大変上手なのでよく理解できました。研修の最後に、自分のホームページまで作ることができました。

4. 障害者授産所ウイズ

障害者授産所ウィズは視覚障害者および知的障害者のための作業所です。前のダスキン研修では、ラオスから視覚障害者の研修生が参加したことがあり、私は彼女と協力して視覚障害者のサポートに携わりたいと考えていたのでウィズにいくことを希望しました。ウィズでは、点字や点字印刷を教わったほか白杖を作りました。また、視覚障害者の人たちといっしょに出かけ、どうやったらうまくお互いをサポートできるかについて学びました。

5. メインストリーム協会

メインストリーム協会では、廉田さんから組織作りについて、また、社会の障害者に対するネガティブなイメージをどうプラスに変えるかに教わったほか、佐藤さんからは障害者運動について教わりました。また、障害のあるなしにかかわらず生活を楽しむことが大切なことを学びました。毎日の生活のなかでもいろいろなことを経験しましたが、人生の楽しみ方についても、人間は外見、能力、考え方などがすべて違う、一番大切なことは障害があってもなくても自分の人生を楽しむことだ、と教わりました。ここで勉強したことで私の考え方はすっかり前向きになりました。廉田さんが大阪から東京まで、障害者運動の一環として車椅子で移動したことを知り、自分でもラオスでこの方法を取り入れて障害者運動を推進したいと考えるようになりました。

写真1 写真2

日本へのメッセージ

ダスキンの研修プログラム、関係団体の皆さん、そして良き友人の皆さん。皆さんによって私の人生は変わりました。皆さんの貴重な教えによって、私の考えは前向きに変わりました。皆さんから学んだ知識は私自身にとって、そしてラオスの障害者のためにこれからいつまでも役立つでしょう。感謝の気持ちをここに捧げます。

日本からラオスへ

日本で障害をもつ人の家庭にホームステイさせていただいたことで、家を障害にあわせてリフォームすることや、強い意志をもって自立生活を営むことを学びました。ラオスに戻ったら公共の場やバスをラオスの障害者の人たちのためにバリアフリーにすべく頑張ります。

写真3

top page