Duskin Leadership Training in Japan

最終レポート

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ジェイビス・ニュブタイ・マナイカのファイナルレポート

平等な社会の実現を目指して

1.はじめに

私はソロモン諸島からダスキンの研修に参加した最初の研修生です。家族は5人で、日本に来る前、ラジオ局で働いていました。

2.この研修に応募した理由

まず、私は新しいことを習うのが好きだからです。全然勉強したことがない日本の文化や日本語をぜひ日本で学びたいと考えました。

次に、ソロモンの政府には国際的な基準を元に作られた障がい者のための法律がありませんから、障がい者運動をしていても大変なことがあります。その状況を変えたかったので、私は仕事を辞めてでもこの研修に参加したいと思いました。

3つ目は、私の国では日本の文化はとても有名なので、私も日本の文化をぜひ知りたかったです。漫画やお箸の使い方などは、私の国でもとても有名です。

最後に、日本の大きな会社であるダスキンがこの研修を支援しているので、私は安心して勉強することができると思いました。

3.日本で初めて経験したこと

(1)日本語

来日前、私は日本語が全然分かりませんでした。日本へ来て3ヵ月ぐらい日本語を勉強しました。日本語は本当に難しかったです。先生は、私が話せるようにならなかったらと心配していました。ですが、私は面白い話をたくさんしたかったので、ほとんど毎日、新しい文章を作りました。先生たちの教え方が本当にとてもよかったので、私は簡単な日本語が話せるようになりました。そして日本語の点字も勉強しました。これからは漢字も知りたいです。がんばります!

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(2)水泳の勉強

水泳の練習も初めてでした。プールでいっぱい水を飲みましたが、何度も何度も練習して、最後は25メートル泳げるようになりました。

(3)ホームステイ

お正月に、私は長崎でホームステイをしました。 私のホストファミリーは、松本さんでした。私は長崎で本当に良い経験をしました。例えば、毎日違うおいしい料理を食べたり、色々な有名な場所に車で連れて行ってもらったりしました。まるで、王様のような生活だと思いました。日本の文化も教えてもらいました。

(4)スキー

東京へ帰ってから、新潟へスキーに行きました。 新潟はとても寒かったです。私は暑い国から来たので、特に大変でしたが、とても楽しかったです!スキーをした後、初めて大きな温泉にたくさんの人たちと入りました。ちょっと恥ずかしかったですが、気持ちがよかったです。

(5)ランニング

時々、私たちは代々木公園でアキレスインターナショナルジャパンの人たちと走りました。 毎回とても楽しくて、皆さんとも友達になったので、走ることが大好きになりました。 もちろん勉強は重要ですが、それだけじゃなくて、運動も大事だと思います。

卓球も大阪で初めて体験しました。これもとても楽しかったです。

4.個別研修

個別研修で、私は2つ大事なことを学びました。 それは、視覚障がい者の支援機器と障がい者福祉です。

まず、視覚障がい者のためのいろいろな支援機器があることを学びました。 最初は、アットイーズでパソコンの使い方を勉強しました。西村先生の教え方はとても素晴らしかったので、今ではパソコンの使い方がわかるようになりました。MSワード、パワーポイントとエクセルを勉強し、今では大体使いこなせています。

ATDOでは、DAISYを勉強しました。DAISYの本を作るソフトウェアは無料だということを知り、DAISY図書を増やすための大切な仕組みだと思いました。DAISY図書があれば、目が見えなくても録音した声を耳で聞けるので、本を読むことができます。私も自分でDAISY図書を作りたいと思いました。ATDOのスタッフが、たくさん知識や技術を教えてくれたので、私は自分の本を作ることができました。

日本ライトハウスでは、支援機器だけでなく、点字図書館システムも勉強したので、今では点字図書館のことがよく分かるようになりました。例えば、墨字の本を点訳して、その点字データをインターネットでオンラインライブラリーにアップロードすると、誰でもオンライン点字図書館で点字の本をダウンロードすることができます。

もうひとつは、障がい者福祉についてです。障がい者福祉のことは、ウイズで勉強しました。ウイズの斯波さんからたくさん習いました。

たとえば、見える人と視覚障がいのある人が一緒に仕事をする時、どんな道具を使えばいいと思いますか?視覚障がい者が仕事をする時に大事なツールが2つあります。1つ目は、音、つまり聞こえるものと、2つ目は凹凸、つまり触れてわかるものです。ウイズではたくさんの障がい者が働いているので、さまざまな聞こえるものと触れるものがあり、それらを使って仕事をしていました。ウイズでは“難しい”という言葉を使いません。もし問題があったら、どうやってその問題を解決するかを全力で考えます。

ウイズで、勉強したもう一つのことは平等な社会という考え方です。これもとても重要です。日本はとても便利な国です。でも、点字ブロックがない国や、エレベーターがない国もたくさんありますね。違いはなんでしょうか?日本には良い考え方を持っている人がたくさん住んでいて、リーダーになった人は、障がい者活動を支援するからです。

これが平等な社会という考え方です。

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5.帰国後にやりたいこと

(1)ダスキン研修で習ったことをソロモン諸島で教えます。

障がいのある人たち、障がい者の同僚と障がい者のサポーターに教えてあげたいです。

(2)障がい者に関するラジオプログラムを作りたいです。

ソロモン諸島ではたくさんの人がラジオを聞いています。このプログラムができたら、ソロモンのみなさんが障がい者について勉強するチャンスになります。

(3)ソロモンの政府に障がい者のことを相談します。

これから活動を積み重ねていけば、私は政府の大きな会議にも参加することができると考えています。その時が来たら、日本で勉強したことやソロモンでの経験を紹介します。

(4)日本語の勉強

国へ帰っても日本語の勉強を続けたいです。国へ帰っても私は日本に住んでいる友達にメールでよく連絡をします。日本人がソロモンに来たら、通訳してあげたいです。

(5)学校を作ります。

私の大きな夢は、視覚障がい者の学校を作ることです。私は先生になりたいので、資金を集められたらぜひ学校を作りたいです。ソロモン諸島には、視覚障がい者のための学校がまだありません。

6.最後に

この研修はとても素晴らしかったです。約10ヵ月間、大事なことをたくさん勉強して、私の気持ちと考え方は本当に変わりました。日本に来る前の私は、自分のことだけしか見ていませんでした。でも、今は皆さんのために何をするべきかを考えるようになりました。

この研修では、日本の文化だけじゃなくて、他の研修生の国の文化も少し学ぶことができました。このことも、とてもいい機会でした。

やるべきたくさんのことがソロモンで私を待っています。大変なこともあると思いますが、ダスキンの研修で様々なことをよく勉強したので、私は障がい者のリーダーになります!

これで私の最終レポートを終わります。

ダスキン愛の輪基金の皆さん、研修先の皆さん、日本障害者リハビリテーション協会の皆さん・・・私を支えてくれた全ての人に心からお礼を言いたいです。本当にありがとうございました!

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