Duskin Leadership Training in Japan

最終レポート

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セレイポン・チムのファイナルレポート

母国の障がい者が暮らしやすい環境を作る活動をします

1.自己紹介

私は、セレイポンと申します。カンボジアのプノンペンから来ました。ダスキン第17期生です。1985年にコンポンチナン県で生まれました。3歳のとき、ポリオになりました。4人兄弟で、姉と兄、そして弟がいます。兄弟の中で私だけ障がいがあります。15年前に、母も病気で障がい者になりました。私が9歳のとき、父は病気で亡くなりましたので、母が一人で私たちを育ててくれました。今の私の仕事は公務員で、首都プノンペンで働いています。

2.初めての日本の生活

去年9月に来日してから3ヵ月間、私は日本語を勉強しました。そして、毎週水曜日に水泳を習ったり、色々なスポーツの活動に参加したりしました。去年10月には、名古屋の車いすマラソンにも参加しました。時々、友だちと代々木公園に走りにいきました。今年の1月に、新潟県でスキー研修を受けました。日本にいるとき、色々なスポーツを経験したので、私の体調は良くなりました。

私は一週間、愛媛県の松山市でホームステイをしました。ホストファミリーは井谷さんです。ホームステイのとき、餅つきをしたり、美味しいお正月の料理を食べたり、ゲームをしたりしました。ホームステイ最後の日に、私たちは松山城へ行きました。松山城までエレベーターがなかったので、へルパーさんに私の車いすを押してもらいました。ホームステイで、日本の文化と生活について学びました。

3.個別研修

私は日本に来る前に、障がい児教育と障がい者の仕事について興味がありました。

ですから、研修の目的は3つありました。1つめは障がい者の社会的企業、2つめは障がい児のインクルーシブ教育、最後はプロジェクト・マネジメントです。10ヵ月間、色々な所で研修を受けました。その中で、自立生活センターSTEPえどがわ、DPI日本会議、NPOマネジメントフォーラム、AJU自立の家、難民を助ける会(AAR-Japan)、そして、こころんについて説明します。

自立生活センターSTEPえどがわ

STEPえどがわには、4つ大切な活動があります。アドボカシー、ヘルパー派遣、ピア・カウンセリング、自立生活プログラムです。私は、STEPえどがわのスタッフと自立生活体験室を見学に行きました。そこで私は、色々な障がい者のための設備を紹介してもらいました。たとえば、電動ベッド、浴室、トイレ、電動リフター、洗面台です。もう1つ面白かった研修は、自分の国の障がい者について、STEPえどがわのスタッフと、討議・交流をしたことです。

DPI日本会議

DPIは、1986年に設立されました。そして、アドボカシー、障がい者権利擁護、点字印刷、国際協力など、大切な活動をしています。ほかにも、日本の障がい者運動の歴史、障がい者雇用制度、難病についても教えてもらいました。

DPIの国際活動はたくさんあります。例えば、南アフリカでのJICAプロジェクトや障がい者権利条約に関する会議への参加です。研修中に、障がい者権利条約のパラレルレポートについて学んだり、開発アジェンダに障がいの視点を取り入れることがどうして大切かを教えてもらったりしました。私は、障がいとインクルーシブ開発に興味があるので、この研修は将来の活動に役に立つと思います。

NPOマネジメントフォーラム

ドイツ、イギリスとオーストリアから参加者39人が来日して、日本人は40人が参加しました。参加者は全員、高齢者や障がい者、若者に関する団体のスタッフです。フォーラムのとき、どうやって企業と非営利団体が一緒に協力するかを話し合いました。現在、非営利団体の役割は大きくなっていますから、企業と一緒に、お互いの強みを活かして、社会問題を解決することが期待されています。色々な国の事例を聞いて、とても勉強になりました。私は国へ帰ってから、企業と非営利団体が一緒に協力しながら活動することを考えます。

AJU自立の家

私は、中部運輸局と交通バリアフリー交渉の会議に参加しました。公務員と色々なステークホルダーが一緒に交通バリアフリーについて相談することは大切だと思います。ほかに中部国際空港セントレアにバリアフリーチェックに行きました。空港は、トイレや授乳室、エレベーター、自動販売機、駐車場がバリアフリーでした。ですから、障がい者や高齢者、ベビーカーの人にとって使いやすいです。もう一つ、私は名古屋市施策推進会議にも参加しました。そこでは、障がい者福祉関係予算と名古屋市障がい者基本計画、障がい者差別解消法の取り組みについて話しあいました。色々な人が集まって、問題を解決するために相談するのはとても良いと思います。もし、カンボジアで同じ活動をやったら、カンボジアはもっとバリアフリーになります。

難民を助ける会(AAR-Japan)

AAR-Japanは、1979年に日本に来たインドシナ難民を助ける会の活動から始まりました。現在AAR-Japanは、15ヵ国で5つの活動をやっています。例えば、緊急支援や障がい者支援、地雷対策、感染症対策、提言・発信です。この研修で、AAR-Japanの歴史と活動、プロジェクト・マネジメント、AAR-Japanの障がい者支援、カンボジアとハイチとタジキスタンのインクルーシブ教育について勉強しました。AAR-Japanは、カンボジアでインクルージブ教育プロジェクトをやっているので、カンボジアの団体と一緒に協力して、どんどん活動を良くしていってほしいです。

社会福祉法人こころん

「こころん」は、2004年3月に精神障がい者地域生活支援センターとしてスタートしました。現在「こころん」は、色々な活動をやっています。例えば、1.就労支援:直売・カフェこころや、なごみの家、こころん工房、2.生活支援:グループホーム・ケアホーム、ホームへルパーサービス、生活支援センターこころんです。「こころん」は地域の農業や里山の資源を使っているので、これはとても良いことだと思います。カンボジアは、開発途上国なので、障がい者のために、こころんのように地域の資源をよく使ったほうが良いです。

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4.帰国後の計画

国へ帰ったら、次の3つのことをしたいです。

内閣府で仕事を続けます。そして国立障がい者委員会のメンバーになりたいです。
田舎で、障がい児のためのインクルーシブ教育をやりたいです。
障がい者のための企業を作りたいです。

10ヵ月間日本にいるとき、日本語と日本の障がい者の活動とリーダーシップについてよく勉強できました。私は国へ帰ってから、日本で学んだことを生かしてカンボジアの障がい者にとって暮らしやすい環境を作る活動をやりたいです!!!

ダスキン愛の輪基金の皆さん、日本障害者リハビリテーション協会の皆さん、お世話になった全ての人に心からお礼を言いたいです。ありがとうございました。

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