皆さん、こんにちは。私は台湾から来たリン・チュン・チェと申します。
結構前ですが、私は、20年前、日本研修に来たダスキンの6期生です。
今から台湾での活動をみんなに報告したいと思います。よろしくお願いします。
私は、今、台湾の台北市新活力自立生活協会に勤めています。
最初に自己紹介から始めたいと思います。台北出身で、今、電動車椅子と介助サービスを使って生活しています。私の障害は生まれつきの障害で、骨形成不全という骨の折れやすい障害です。何十回も骨折したことがあって、小さい頃から就学拒否されたこともあって、施設にいたこともありました。学生時代の台湾の状況は、バリアフリーや地域サービスがあまり良くなくて、私は家族とたくさんのことを自力で、頑張って、色々な困難を乗り越えていきました。大学まで行きましたが、卒業した後に、やっぱり環境の中でバリアなど難しい問題がたくさんあって、就職はできませんでした。
でも、インターネットで、ダスキンの研修のことを知って、応募して、とてもラッキーなことに受かりました。私は、日本に来ることができました。ダスキンの研修プログラムを受けて、私の人生は大きく変わりました。日本で初めて電動車いす使って、介助者サービスも使いました。想像できないぐらい自由になりました。
これは研修の時の写真です。日本に来て、電動車椅子を使って、介護サービス使って、とても自由な生活になりました。台湾でできなかったこと、難しかった外出もできたし、しかも、運転もできるし、スキーにも行きました。研修の時は自立生活のこととか勉強して、たくさんの先輩と出会いました。その時は、すごくびっくりしました。やっぱり障害は自分の問題ではなくて、社会が作ったバリアの問題だとわかりました。自分より重度の障害のある先輩やリーダーに会って、いろんな話を聞いて、衝撃を受けて、ぜひ台湾でも自立生活サービスや制度を作りたいと思って、台湾に帰りました。
2007年、ヒューマンケア協会、メインストリーム協会とか、ぱあとなぁ、夢宙センター、日本からたくさん応援してもらって、たくさんの仲間たちが台湾まで来てくれて、私たちのセンターの設立のために応援してくれました。うちのセンターは、日本のセンターと同じように障害者主体で運営しています。今、新規で自立生活するためのサービスも提供しています。
台湾では、障害者団体とか権利擁護の団体などは少ないので、他の団体とネットワーキングをしています。例えば、女性団体とか、LGBT団体とか、原住民、ホームレスの団体、弁護士団体ともネットワーキングをしています。今回、日本に来る前に、ホームレスの団体とも台湾の生活保障制度についての記者会見をやりました。台湾の生活保障はまだ良くないので、この他の団体とも一緒に連携しながら法律作りもやっています。
あと、地域で開発活動もしています。この写真は、うちの団体の事務所です。私たちは去年から体験室にAI技術を投入して、Googleを使って、「電気を付けてください」とか、「冷房を付けてください」とか、指示を出して自動でできるようにしています。電動ベッドもGoogleで操作できます。Googleやスマホを使って障害者の生活はもっと便利になります。今年6月に新北市の障害者団体とも連携して、第2号のAIの自立生活体験室を立ち上げました。今、政府にも提案して、補助制度に入れてもらえるように運動してます。この施設を作るためには50万円ぐらいかかります。一般の人は買いにくい、申請しにくい、買いにくい値段なので、やっぱり政府の補助の中で保証されて、もっと申請しやすい、使い易い技術にできればと思います。
これは私たちの歴史です。うちのセンターは、2007年に立ち上げて、最初は、制度が何もなかったんです。でも、自分たちはプロジェクトプロポーザルを書いて、パイロットプロジェクトを始めました。自立生活サービスや介護制度を台湾で初めてやりました。そして、2011年に国の制度になりました。今、各県と市は、介護サービスやピアカウンセリングサービスを提供しなければならないとなりました。うちのセンターは2012年から2018年まで政府から事業、委託事業を受けました。でも、私たちは制度が良くないので、いろんな交渉を行ったり、いろんな運動も続けました。そのため、政府の事業は、2018年で打ち切られ、その後の受託の話はなくなりました。その時は、すごく大変でした。皆、給料もなくなって。でも、そのきっかけで、また新しい道が開けました。今センターは、人も増えて民間企業からの助成金も集まって、結構、安定して運営できるようになりました。
そして、政府の助成金をもらってないから、いろんな交渉とか、いろんな運動がしやすくなりました。政府からの支援を受けていないことで、堂々といろんな意見と言えるようになりました。その後は、権利条約も台湾で批准されたので、私たちはそれを使って、いろんな裁判をやってます。
2014年には、台湾で、職場介助サービスもできました。今回、私も職場介助、国の制度を使って日本に研修に来られることになって、とても良かったです。あと、うちの団体独自の障害者リーダー育成もやっていて、台湾から日本に何人も送りました。
今、進行中の活動は、障害者権利保障法の改正運動とか、障害差別禁止法の運動をやっています。台湾の政府は、今、施設たくさん作る予定になっているんですが、私たちは地域運動と介助サービスの運動を今も継続してやっています。やっぱり、みんなが地域で生活できるようなサービスが、もっとよくなればいいと思って、裁判やいろんな活動やって、頑張っています。
今年から、政府は予算をとって、台湾全国で25のILセンターを作ることになりました。最初は、全然なかったけど、今は、予算がついて、私たちの意見を聞いてくれます。これからも、交渉していきたいと思います。各地施設、各市の障害者は、施設じゃなくて、ILセンターのサポートを使って、みんなとインクルーシブな社会環境で生活できたらいいなと思っています。
右の写真ですが。私たちは、裁判を色々とやっているので。元々は、法廷はバリアフリーではなかったんです。でも、私たちは車いすの人が傍聴に行って、裁判所とか法廷に車いす席が作られました。これは、とても新しいことです。
この研修終わって、台湾に帰るんですけど、私たちは高雄で自立展覧会もあります。この展覧会は、去年から始まって、今回は高雄で開催されます。この展覧会は、すごく評判になって、社会の人たちも、障害者のことをたくさん知るきっかけになりました。今回は、高雄で行って、沖縄のイルカ自立生活センターの仲間たちも応援に来てくれます。みんなと一緒に交流したいと思います。制度を作るのは、裁判だけじゃなく、やはり社会全体が私たちのこと、いろんなことを知ってもらうことはすごく大事だと感じたので、この展示会をやりました。いろんな障害者の体験、生活の体験とか、障害者のストーリーとか、いろんな交流ができる場です。あとアートもあります。もし皆さん、7月台湾に来ることあったら、ぜひ高雄にもお越しください。
最後になりましたが、私は1人1人が社会を変える力だと思っています。2年前、私たち大統領の事務所に訪問に行きました。9人の車椅子ユーザーと一緒に訪問したんですが、その時は、バリアフリーではありませんでした。でも私たちが訪問した後で、総統府もスロープをつけてくれて、今はバリアフリーになっています。
この自立生活の運動は、人と人がつながって、愛を込めて輪になって、一緒に社会を変えていくことができるすごく大事な運動だと思います。
最後になりましたが、ダスキン愛の輪基金とリハ協の皆さん、あと研修期間たくさん応援してくれた仲間たち、すごく感謝しています。今回のワークショップもたくさんの勉強になりました。帰国後も、20年、40年も頑張って働いて、やっていきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。